レンズ前面での絞りは失敗

先日、富士フイルムのミラーレスカメラ「X-E2」にキヤノンのEFレンズを付けて星野の撮影を試行した(バラ星雲、馬頭星雲付近)が、絞りが制御できず開放に固定されることで、周辺減光や恒星のにじみが気になった。

やはり絞って使いたいので、まずは絞り機能付きのマウントアダプターの購入を考えたのだが、この種の絞り付きアダプターは周辺がケラレて減光する可能性が大きいようで、そうなると逆効果になるため、候補から外した。

次に検討したのが、レンズの前面で口径を絞る方法。

望遠鏡での太陽撮影時や、大口径アクロマート望遠鏡を筒先で絞って色収差を低減することは普通に行われているので、それでいけるのではないかと思い、レンズ前面のプロテクターに、ステップダウンリングを重ねて付けて絞ってみた。

レンズは星野撮影でよく使う「EF100mm F2.8L マクロ IS USM」。

前玉の口径を測るとだいたい36mm位だったので、100/36=2.78となり、開放F値とほぼ一致する。これをステップダウンリングで27mmに絞った。つまり、100/27=3.7となり、F4弱ぐらいになるだろうという考えである。

早速X-E2につけてオリオン座中心部を撮影してみた。

ISO感度は800で、露出時間は絞り無し開放が10秒、ステップダウンリング絞り有りが15秒として、露光量を概ね合わせた。

撮影結果は全体の縮小が下の画像。

周辺減光はむしろ悪化してしまった。

次にピクセル等倍で、中心部、左下、および左端の輝星(オリオン三ツ星の北端のミンタカ)を切り出した。

星像は全く改善されていない。

結局、レンズ前絞り作戦は、周辺減光の悪化を招き、光量が減るだけで星像は改善されないという結果に終わった。完全に失敗だが、損失はステップダウンリング数個の金額だけなのでたいしたことは無い。

というわけで、この次の策として、富士Xマウントに純正の単焦点大口径望遠レンズが無い以上は、他社レンズで絞りが機能するものを探す方が良さそうだ。

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