- 【環境】2011/12/31 0:23 – /兵庫県多可町/気温 -5℃/光害レベル:SQM-L測定値=20.8
- 【光学系】FLT98CF + フラットナーレデューサー4(約490mm F5)
- 【カメラ】EOS Kiss X2(IDAS改造)
- 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/ケンコーD=63mm f=540mmガイド鏡/ガイドカメラ NexImage/USB-IO
- 【ソフトウェア】】<オートガイド>iAG<撮影>iAG<処理>(下記の通り)
- 【撮影法】ISO1600, 300sec. x 4 + 600sec. x 1
- 【処理法】
- RStacker試作版0.0.9.13)でダーク減算・フラット処理
- Lightroom3で現像
- ステライメージ6,Photoshop CS5 による処理
- 4×4 ソフトビニング、更に縮小・トリミングなし
昨年末、12月30日夜に兵庫県多可町で撮影した馬頭星雲と燃える木の画像を処理した。
この馬頭星雲撮影は雲の通過により「露出時間不足」・「コマ数不足」、それから「ちょっとピンぼけ」、更に撮影鏡筒の夜露よけヒーターの電源接続忘れでレンズやや曇り・・・等、ほぼ失敗だったが、画像処理によって何とか見られるようにリカバリーできた。
上記の要因と撮影地の光害によって、星雲の淡い部分を出すことが出来なかったのが残念。今年こそは馬頭星雲をまともに撮影したい(やはり多可町では無理かも)。
コンポジットについては、ステライメージの加算平均で、人工衛星の光跡を消すため、「範囲外の値を除外(1σ)」を用いた。露出時間の異なるコマが混ざっているので「加算」を用いたかったが、このオプションを使うために、やむなく加算平均とした。
なお、今回はRAW状態でのダーク・フラット処理に、こちらの「RStacker(試作版)」を使用した。
まず、同梱のDNG Converter Launcher(DNGCL)で、EOS Kiss X2独自のRAWファイル(CR2)をDNGに変換した。これはAdobeのDNG Converterのフロントエンドであり、変換自体はDNG Converterが行う(インストールしておく必要がある)。DNGCLを用いる利点は、作成されるDNGファイル名に、露出時間、ISO感度などの情報を任意の順で入れられる点である。ファイル名を見るだけで、感度や露出時間などが判別できる。
また、RStackerはDNGのコンポジットやダーク減算・フラット処理を行い、DNGに書き出し出来る。フラット処理については、フラット画像の明度を正規化してから適用しているので、厳密にレベル合わせやカラーバランス合わせをしなくても、そこそこ実用になりそうだ。厳密に合わせる場合、R,G,B別に異なるフラット画像を用いる事も出来る。
今回の撮影画像のうち、10分露出の1コマをフラット無し(ダークのみ)で処理して現像し、強調処理するとこのようになるので、フラットの効果は出ているようだ。
RStackerはまだ試作品なので、細かな不具合・バグ等があるかもしれない。また、現時点ではKiss X2とX4のDNGファイルでしか動作が確認されていない。DNGは統一されたRAWフォーマットということだが、実際は黒レベルの定義などの機種依存性が色々あるようだ。
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