Ai Nikkor 50mm F1.4

X-E2に借り物である「Ai Nikkor 50mm F1.4」を付けてみた。

50mm F1.4といえば、35mm銀塩時代の標準レンズ。カメラ付属(今で言う「キットレンズ」)として売られることが多かったので、中古も数多く出回っている。

今回借用したのは「S」の付かないAiニッコール。私は昔からキヤノンユーザーだったのでニコンレンズの変遷には疎いが、調べてみると、1970年代後半に売られていた物のようで、もう30年以上前の古いレンズらしい。

しかし、最新のデジカメであるX-E2に良く合っている。

早速、先日の多可町遠征時にテスト撮影した。

このレンズを付けたX-E2をポラリエに載せてオリオン座近辺に向け、絞りを開放からF4まで変えて星像を比較した。感度はISO1600で、露出時間は絞り値に応じて下記のように変えた。

  • F1.4 15sec.
  • F2.0 30sec.
  • F2.8 60sec.
  • F4.0 120sec.

まずはJPEG出力をトリミング無しで縮小したもの。

F1.4はここまで縮小しても星がぼやけているのが分かる。周辺減光は、強調処理しなければF2.8位で目立たなくなるようだ(F4.0は、右上部分に薄雲がかかっている)。

次に中心部と、右上の輝星付近のピクセル等倍切りだしでの比較。

まず、F1.4は全く使えない。F2.0も色収差が目立つ。

F2.8になるとかなり改善され、強調処理しない限りは十分。F4.0では星野撮影でもほぼ問題無い。

こうしてみると、古いレンズではあるが、F2.8より絞ると星の撮影に使えそうだ。ただし、最新のデジタル対応レンズに比べるとまだまだ甘いのかもしれない。

というわけで、この機材そのままで、2対象程撮影してみた。
しかし、雲の通過で数コマしか取れなかったのと、時期的に天の川の部分が見えず、単なる星だけの撮影になってしまったのが残念。

「ふたご座と木星」 ISO1600, F4.0, 180sec.x 3コマ

雲のため3コマしか撮影できなかった。数十コマ撮影できれば、M35付近の星雲も強調できたかもしれない。

それにしても木星は明るい。移動する先々で、星座の形を分からなくしている。


「獅子の大鎌」 ISO1600, F4.0, 180sec x6コマ

APS-Cに50mmを付けると、フルサイズ換算75mmになり、しし座全体は入らない。大鎌部分を撮影したが、星以外に何か写るという領域では無いので、かなり寂しい(NGC2903も点にしか写らない)。

夏ならば天の川を写してみるのだが、残念ながら借り物だったので返却した。

このレンズは、程度の良い中古で2万円弱程度(Ai-Sなら2万円強)。F2.0の結果がもう少し良ければお買い得なのだが、迷うところ。

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