2020/9/21 砥峰高原

昨夜は久しぶりに砥峰高原へ遠征。

いつもは大河内高原エリアの奥の方まで行くが、今回は久しぶりに「とのみね自然交流館」の主駐車場に行ってみた。気候の良い秋の連休中のためか、予想はしていたがかなりの混雑。

到着直後は雲が多かったが、22時頃から徐々に晴れてきた。とりあえず、ポラリエにPENTAX KP + シグマ18-35 F1.8ズームを載せて撮影開始。今回は、これまであまり出番がなかった「スターリーナイトフィルター」+「プロソフトンクリア」の組み合わせを用いて、星野写真ではどのような写りになるのか確かめてみた。

以下のKPによる画像は全て1コマのみで合成無し。本当は「JPEG撮って出し」にしたかったが、KPのJPEG出力は微光星に擬色が発生するので、Lightroomで標準現像のみ実施(ノイズ低減・レンズ収差・周辺減光補正)。強調処理は一切行わず、カメラJPEG出力に近い状態にした(むしろ、カメラ出力より地味になっている)。ダーク減算もしていない。

共通データは、PENTAX KP, SIGMA 18mm-35mm F1.8 DC HSM, スターリーナイトフィルター + プロソフトンクリア, ISO:1600, F2.8, 露出:120sec., ポラリエによる恒星時追尾。

沈む夏の天の川 (18mm)

駐車場にはひっきりなしに車が出入りするため、1コマたった2分の露光中に何度もライトの影響を受ける。広角による撮影では明らかにカブったコマがいくつも発生した。本格的に撮影したい場合はやはり奥の方へ行ったほうが良さそうだ。私は10年ぐらい前までは主にここで撮影していたが、その後はほとんど奥の方へ行っている(更に最近は遠征すらせず、自宅撮りがメインになっている)。

夏の大三角 (18mm)

このとき、SQM-L測定値は天頂で21.2ぐらい。

プロソフトンクリアのソフト効果は、天の川の中の星座の形がよく分かるが目立ちすぎない程度でちょうど良い。

沈む秋の天の川 (18mm)

スターリーナイトフィルターの効果は以前検証して確認していたので光害地では常用することにしたが、砥峰でも光害はある(特に南と東)ので今回も用いている。無改造機の無強調処理で北アメリカ星雲がはっきり分かり、ガーネットスター周りの赤い星雲(IC1396)がうっすら分かる。

オリオン座からふたご座足元の領域 (35mm)

この領域には赤い散光星雲が多く集まっているが、さすがに無改造機・無強調・一コマのみではほとんどわからない(オリオン大星雲、バラ星雲は別として)。それでもよく見ると、エンゼルフィッシュやバーナードループが薄く写っている。これを何コマもコンポジットして強調処理すると無改造機でもかなり炙り出せる

カリフォルニア星雲~プレアデス星団~ヒアデス星団 (35mm)

大型の散開星団にはソフト系フィルターが効果的で、大粒になって派手に見える。ソフト効果の程度も良い感じだと思う。カリフォルニア星雲は無改造機でもかなり濃く写る。

このように、「プロソフトンクリア」のソフト効果は、露出を数分かけて星を多く写す星野写真でちょうど良い程度だとわかった。後はこれをコンポジットして強調処理したとき、どの程度になるかの確認が必要。一コマでちょうど良いと、強調処理後は過剰気味になる可能性もある。


さて、PENTAX KP による星野撮影と並行し、BORG71FL(レデューサー0.72xDGQ) + EOS60DaをJILVA-170に載せ、星雲の撮影も行った。

JILVA-170 + BORG71FL + EOS60Da
JILVA-170 + BORG71FL(レデューサー0.72xDGQ) + EOS60Da

JILVA-170は久しぶりの出動となったが快調に作動した。

ノータッチガイドは手軽なのだが、自動導入がないと撮影対象の導入が難しい。オリオン大星雲やアンドロメダ大銀河などファインダーで見える天体なら良いが、明るい星雲星団は数が限られている。特に目に見えない散光星雲を星の並びを頼りに入れていくのはかなり苦労する(それに今の所微動がなく両軸ともクランプのみ)。

今回もケフェウス座のNGC7822(クエスチョンマーク星雲の上の部分)を撮影したが、構図がずれていた。

NGC7822
BORG71FL(レデューサー0.72xDGQ) + EOS60Da
ISO1600, 150sec, JPEG出力・無調整

この機材ではクエスチョンマークの「点」は入らないのは仕方ないが、今回の構図はもっと左下に寄せるべき(下辺で切れている散開星団7762もちゃんと入れること)。しかしその場では星雲の明るいところを中央付近に入れてしまった。後日行う処理では右側の空白をトリミングする予定。そもそもこれは、カメラがAPS-Cなら200mmレンズを用い、クエスチョンマークの「点(Sh2-170)」を入れるほうが良いと思うので、次の機会があれば200mmレンズを持っていきたい(JILVAなら200mmレンズは余裕)。

よく考えてみると、BORG71FLが載る程度の小型の自動導入機で、Plate Solvingとオートガイドを用いほうが結局楽かも、という気もして、機材構成にまだ迷っている。そもそも、JILVA-170自体がポータブル赤道儀のサイズを超えて小型赤道儀並だし、重さ的にはあまり変わらないかも。

なお、現在はデジカメで撮影して位置確認しながら手動でも構図調整できるが、銀塩時代は後日現像するまで構図が成功しているかどうか分からなかったのだから、今考えるとゾッとする。

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