R200SSの接眼部強化

約3年前の2021年秋に導入したビクセンの20cm短焦点反射望遠鏡、R200SS。自分にとって初めての反射望遠鏡ということで特に光軸調整に難儀しながらも、なんとか騙し騙し使ってきた。撮影対象はほとんどが系外銀河で、エクステンダーPHを併用している。コレクターPHも持っているが今のところあまり使っていない。

光軸調整については必ずしもベストな状態には持っていけていないが、とりあえず見られる状態にはなってきている。また最近は「BlurXterminator」という強い味方が登場し、多少の星像変形は許容できるようになった。これに甘えていてはいけないのだが、最後の砦として心強い。

星像の乱れについては時間経過とともに変化することがある。これは光軸やガイドズレに加えて、接眼部の「たわみ」も有るのではないかとも思っている。下図のように、接眼部には長くて大きなエクステンダーと冷却CMOSカメラがぶら下がっている。

R200SS + エクステンダーPH + ASI294MC Pro

それが時間経過とともに変わる鏡筒の向きによって、たわみの具合が変わって星像が変化するのではないかとも思っている。これは限定版の70周年記念R200SSが接眼部を強化していたり、国際光器から接眼部強化プレートが販売されていることからも予想できる。重いカメラを付けたときのたわみ防止は、先達の方々の経験からもニーズとしてあることが分かっている。

それが自分の星像変化の問題の解決策になるのかどうかは分からないが、ひとまず思いつく対策は全てしておきたいということで、今回、国際光器の「R200SS専用 接眼部裏打ち強化プレート」を購入した。これは3年前(2021年)に購入しようとしたところ生産終了で入手できなかった。国際光器に問い合わせたところ製造元(作り手)の引退という事だった。ところが先日これが販売再開された。新たな作り手が見つかったのだろうか。いずれにせよチャンスなので早速入手した。


物が届いたので、取り付けを開始。床に毛布を敷いてクッションにして、鏡筒を接眼部が上を向くように寝かせて置いた。

まず、私のR200SSには電動フォーカサー(ZWO EAF)が付いているので、これを一旦外さないと接眼部のネジを回せない。

なので、まずこれを取り外し、それから接眼部の位置をフェルトペンでマークした。

これからの手順では、接眼部の取り外しは無いので基本的にずれることは無いが、念のための措置。更に念のため、布テープで接眼部の移動を防止した。

続いて、鏡筒内部側の「ナット」を外しにかかる。これは鏡筒内部に手を入れて手でナットを押さえ、外からドライバーでネジを回して外す・・・。と説明書に書いていたが、手で押さえただけではナットは空回りして外れなかった。

仕方なくラジオペンチを入れてナットを固定して外した。これは斜鏡を傷つけそうで怖かった。眼鏡レンチがあれば良かったと思う。後で思えば、斜鏡は何かをかぶせて保護しておくべきだったと思う。

この手順でナットを全部外す。それでもネジは刺さったままなので、接眼部はズレない。

つぎに強化プレートを鏡筒内に差し入れて、プレートの穴の部分にネジ4本を通す。これは手探りで何とかやり切った。ここにきて、鏡筒を下からのぞけるように台の上に置けばよかったと気が付いた(が手遅れ)。

プレートの向きは上図の通り、切り欠きがフォーカサーの方になるようにする。

そして説明書によると、ここからネジを1本ずつ、R200SS付属(既存)のものからプレート付属の交換品に差し替えていくとの事。プレートの厚みがあるので、交換用は既存品より長いらしい。が。

(左)プレート付属交換用ネジ、(右)R200SS付属ネジ

どう見ても、プレートに付いてきた交換用ネジは、R200SSに元から付いていたもの(既存品)よりも短い。ちょっと迷ったが、ここは既存品を使うのが正解かと思い、ネジの交換は取りやめ、そのままナットをねじ込んだ。長さが心配ではあったが、とりあえずちゃんと固定は出来たようだ。

これで強化プレート取り付けは終了。

外からの見た目は何も変わらず、接眼部のズレも無し。布テープを外して、電動フォーカサーを取り付け直して完了。


作業した日の夜、少し晴れ間があったので、いつものようにエクステンダーPHとASI294MC ProでM13を試写。

下の画像は撮影画像(FITS)をそのままFlatAide Proの等倍星像チャート作成ツールで切り出したもの。上の画像は高度60°の時点、下の画像は1時間40分後の高度40°の時点。

2024/08/10 21:52 高度60°
2024/08/10 23:35 高度40°

若干いびつなところはある。とくに中心部の2枚目は左右に若干の伸びが見られる。また右下は斜めに伸びている。が、まずまずではないか。時間変化については、1時間40分の短時間では判断がつかず、もっと長時間、色々な姿勢にして確認すべきだったかもしれない。

とりあえず取り付け作業による悪化は無い事を確認できたので、今後しばらくこれで使っていくことにした。

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