X-E2に付ける単焦点望遠レンズとしては、純正のXマウントには存在せず、私が所有するEFレンズは絞りが開放に固定され、絞り付きマウントアダプターはケラレの問題が有るし、レンズ前で口径を絞るのも失敗。
というわけで、絞りリングのついた「Ai Nikkor 105mm F2.5S」を中古で入手した。このレンズは30年間基本設計が変わらず、解像度が高い銘レンズとのこと(詳しくはこちら)。
中学生の頃、AE-1をお年玉貯金で買って以来のCanon派の私の手元にやってきた、人生初のニッコールレンズ。
古いMFレンズだが、クラシック感じのX-E2と良く合う。マウントアダプターは八仙堂のもの。安価だが、ヘリコイドを無限大側に突き当てた位置で、丁度無限遠が出ている(と思う)。
フードは組み込み式で普段使いには便利だが、星撮りでレンズヒーターを付けると動いてしまう。別途固定式のフードを手配中。
絞りは、開放F2.5の次はF4の表記だが、その中間のF2.5寄りの位置にも止まる。おそらくそこがF2.8。
カメラもレンズも同じクラスなのに、大きさはずいぶん違う。中身としては、むしろX-E2側の組み合わせの方が、センサーサイズもレンズ口径も焦点距離も若干大きい。EF100Lは、手ぶれ補正+AFなので、大きくなるのだろう。
さて、星の実写での比較は、先日の神河町遠征時にオリオン座の中心部撮影で行った。
(共通データ)
カメラ:Fujifilm X-E2
レンズ:Ai Nikkor 105mm F2.5S
架台:スカイメモR
感度:ISO1600
ノイズ低減:長秒時なし、高感度標準
出力:JPEG STD(Provia)
(露出)
F2.5 72sec.
F2.8 90sec.
F4.0 180sec.
まずは、全体を縮小したもの(周辺減光比較)。
F2.5は周辺減光がかなり大きい。F2.8はフラット補正でOKなレベル。F4.0は減光が目立たない(強調処理するにはフラット必須)。
次に中央と周辺部のピクセル等倍切りだし(画像はクリックで本来のサイズに拡大)。
開放ではパープルフリンジが大きいが、周辺部の非点収差は割と少なめ。
F2.8では、フリンジがかなり改善される。周辺の収差は開放とあまり変わらず。
それから、輝星の周りに目立つ光条が出る。
F4.0では周辺星像がかなり改善される。パープルフリンジは出ないが、オレンジの色収差は若干残る。星像はEF100Lの開放に比べても大粒なイメージ。輝星の光条も目立つ。
というわけで、F2.5開放はやはりちょっと苦しいが、それでも散開星団などは輝星が適度に大きくなって良いかも。F2.8でもそこそこ使えそうで、F4.0迄絞ると、キッチリした星野が撮影できそう。
ただし、星像はやはり最新のレンズに比べるとやや大きめの粒になる。微光星を見る限り無限遠は出ているように思えるが、もしかしたら若干のズレがあるのかもしれない。これはニコンボディーを持ってないので確認出来ない。
なお、もちろん一般撮影にも普通に使える。EVFの良いところは、絞り込み状態でも明るさ調整されて見やすいこと。
最短撮影距離が1mmなので、マクロレンズとしては使えないのが残念。
それに絞り値が記録されないのは不便。
やはり純正Xマウントの大口径望遠(単焦点)を希望したい。
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