【機材】ケンコー スカイエクスプローラー2(SE2)赤道儀

・2008年10月購入

ケンコー スカイエクスプローラー2(SE2)赤道儀
ケンコー スカイエクスプローラー2(SE2)赤道儀

昨年から自宅ベランダで屈折(ED100Sf)&ポルタ経緯台による観望を行ってきたが、光害があるため、対象としては月・惑星や二重星を高倍率で見るケースが多かった。その際、ED100Sfに対してポルタ経緯台では剛性が低く、振動してピントが合わせにくい。また経緯台での高倍率観測では対象がすぐに動いてしまうため、じっくり観望できないという不満が出てきた。そこで、お気軽路線から外れてしまうが、我が家でもついに赤道儀を導入することにした。私にとっては、高校生の時にビクセン・ニューポラリスを購入して以来の赤道儀である(スカイメモを除く)。

機種の選定の際にはビクセンのGPD2も候補であったが、こちらのショップでSE2が10万を切る価格で、店で軸のガタツキなどを調整して出荷してくれるとのことであったので、SE2に決めた。

10/16に荷物が届いて早速組み立ててみたが、普段ポルタやスカイメモに慣れているためか、とにかく大きくて重い。上位機のEQ6PROにしなくて良かった。早速ED100Sfを載せてみたが、ベランダで取り回すにはギリギリのサイズだろう。ベランダが南東向きなので、写真のように三脚の足の一本が柵側に出っ張り、本体が内側へ引っ込んでしまった。このため、ポルタ使用時よりも視界が狭くなった。これは何らかの工夫が必要だろう(なお、写真のED100Sfのピントノブが変な位置にあるのは、ポルタ搭載時に合わせているためである)。

早速ACアダプタを接続し、電源を入れて運転を開始した。恒星時速度の運転では音はかなり静かである。蚊の羽音のような高周波音がするが、エアコンの室外機運転音よりも小さい連続音であるので、それほど近所迷惑ではないだろう。コントローラーの方向キーによる移動速度は数段階で調整できる。これも、1倍速から64倍速程度までは恒星時とあまり変わらず静か。400倍のみ何故かうるさいが、500倍速~最高の800倍速では、比較的にマシになる(音の感じ方は個人によって違うので、あくまでも私の主観である)。頻繁に高速駆動を繰り返さない限り、深夜のベランダで使っても問題ないだろう。

ベランダからは北極星が見えないので、とりあえず方位磁石と傾斜計でかなりいい加減に極軸を合わせ、初期設定を行った。コントローラーから観測地の経度・緯度、日付・時間、タイムゾーン、サマータイムの有無を入れる。このうち、日付・時刻は電源を入れるたびに入力する必要がある(その他は記憶される)。その後、望遠鏡をホームポジション(天の北極を向いた状態)にしてアライメント作業になるが、ここは1スターアライメントとした。コントローラーが勝手にベガを指定してきたが見えないので却下。キーで星を選んでいき(全て英語である)、南天に見えているフォーマルハウトを選んで確認OKとすると、望遠鏡が動き出しフォーマルハウト近くを向いた。それをコントローラーで修正して視野中央に持ってきてEnterを押し、確定。これでアライメント完了である。

試しに、おひつじ座にいる「月」を指定して導入させたが、やはりズレている。ここで、PAE(Pointing Accuracy Enhancement)機能による精度向上を行う。コントローラーでPAE機能を立ち上げ、ズレた月を視野中央に持ってきて確定。これで、月付近の領域の精度が向上するそうだ。試しに、近くのM42やM45を指定したら、難なく視野中央に導入できた。見える方向が限定されるベランダでは、これで十分だろう(M42をわざわざ自動導入することも無いと思うが)。

オートガイダー端子
オートガイダー端子

このように、自動導入は設定に手間が掛かり、正直言って面倒くさい。ファインダーで見える天体ならクランプを解除して手動導入した方が早いので、余程わかりにくい場所にあるような天体の導入に使う程度だろうと思う。それならGPD2+1軸モーターで良かったのでは・・・という気もするが、やはりオートガイダー端子の存在は今後に向けて心強い(お気軽観望のはずだったが・・・)。

なお、剛性については十分で、ピント合わせ時の震動もポルタに比べて格段に少なくなった。なにより、天体が逃げていかないので、ゆっくり観察できるのはとても楽である。

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