Powermate 2.5xおよびADCの導入と惑星撮影機材の試行錯誤

先日、ミューロン180Cの接眼部の後ろに接続する惑星撮影用機材の仮組みをしたが、合成F値が42と暗すぎる結果になった。これは使用したバローレンズからカメラセンサーまでの距離が長過ぎ、拡大率が公称値(2.5倍)から大幅に上がってしまったため。

そこで今回、カメラまでの距離によって拡大率が変わらない(らしい)パワーメイトの2.5倍(1.25インチ)を導入して再構成した。また、ついでにZWOのADC(大気分散補正プリズム)も購入して組み入れたので、結局、惑星撮影機材の定番的組み合わせになった。

惑星撮影機材
惑星撮影機材

カメラ側が「リングだらけ」になっているのは、フリップミラー直角側と光路長を調整するためである。眼視側の直進ヘリコイドSが結構長いので、その分カメラ側にも延長リングを入れざるを得なかった。

また、カメラ側に「M42ヘリコイドT」を入れたのは、ここでピントの微調整をして、主鏡のミラーシフトを避けようという考えだったが、実際付けてみるとヘリコイドリングの動きが渋く、実用にならなかった。

この機材で前回同様に夕空の金星を撮影した。

2020/3/16 の金星
2020/3/16 の金星
  • 【環境】2020/3/16 19:25:45(撮影スタート)/兵庫県明石市/気温 未測定/光害レベル:SQM-L測定値=未測定
  • 【光学系】ミューロン180C / Powermate 2.5x / ZWO ADC / IR・UVカットフィルター
  • 【カメラ】ASI183MC Pro
  • 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/ノータッチ恒星時追尾
  • 【ソフトウェア】<撮影>Sharp Cap Pro 3.2 <ガイド>なし
  • 【撮影法】センサー温度0℃/ゲイン:121/ROI:1600×1200
  • 【露出】撮影時間:60s/シャッタースピード:4ms/フレーム数:3836
  • 【処理法】
  • スタック:AutoStakkert!3 / フレーム数25%使用
  • ウェーブレット処理:RegStax6
  • その後の調整:ステライメージ8、Phtoshop CC
  • ピクセル等倍で切り出し

今回、金星の直径はピクセル等倍で約250ピクセルとなった。これから前回と同様に合成F値を計算すると下のとおりとなった。

合成焦点距離・合成F値計算
合成焦点距離・合成F値計算

合成Fは約32と、前回からかなり明るくなった。

しかし、狙いの合成F値は30だったので、まだ若干暗い。これは、接眼部とパワーメイト間の距離が延長筒などで長めになっており、主鏡の繰り出しが大きいために焦点距離が伸びているのかも?

もう少し調整が必要なようなので、次は眼視側のヘリコイドSをM42ヘリコイドTに交換して光路長を短縮し、カメラ側の延長筒を外して、接眼部からパワーメイトまでの距離をもう少し短縮したい。


金星の撮影風景
金星の撮影風景

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