M8(干潟星雲)を光害地で直焦点撮影

M8 干潟星雲
M8 干潟星雲 (いて座の散光星雲・視直径90’)
  • 【環境】2009/6/28 23:49 – /兵庫県加古川市/気温不明/光害レベル:SQM-L測定値=17.8
  • 【光学系】William Optics FLT 98 Triplet APO(D=98mm f=618mm)/LPS-P2フィルタ使用
  • 【カメラ】EOS Kiss X2(無改造)
  • 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀
  • 【ソフトウェア】<オートガイド>iAG(α版)<撮影> – <処理>(下記の通り)
  • 【撮影法】ISO400/180sec x 9  
  • 【処理法】:ステライメージ6,Photoshop Elements5による処理、2×2ソフトビニング後、トリミング

2009/6/28の夜に自宅から直焦点でM8を撮影した。鏡筒は最近購入したWilliam Optics FLT 98である。

自宅は光害地ではあるが、冬の空気が澄んだ季節に撮ったM42は割とまともだったので、同じく大型で明るめの散光星雲であるM8も撮れるのではないかと思って撮影した。しかしM42と違って高度が低く、さらにこの季節にありがちな透明度の悪い空、加えて高温(0時を過ぎても気温27℃)によるカメラのノイズによって、かなり悪い結果となった。

1コマのみ・無処理の状態
1コマのみ・無処理の状態

これ(↑)がRAW画像をステライメージで開いたときの状態である(元画像を50%に縮小してトリミングしている)。LPS-P2を使用しているが、カブリが強いのでISO400で3分露出にとどめた。しかしとにかくノイズが酷すぎる。パソコンで画像を開いて見たとたん、やる気が無くなるというか、今後もなんとか自宅ベランダで天体写真を撮っていこうという気力が抜けてしまうような画像である。しかも薄雲の通過などで3分×9枚しか撮れなかった。

しかし気を取り直し、ダーク処理、フラット処理、9枚コンポジットを行い、その後もデジタル現像やノイズ低減処理、トーンカーブをいじくり回してなんとか中心部(暗黒帯の様子とか)は見られるようにした。しかし、周辺部の淡いところはとても見られるものではないので、結局トリミングした。

後になって考えてみると、ノイズを気にせず露出時間を伸ばしたほうが、結果的にS/N比を稼げたのでは無いかという気がしている。もちろん根本的に解決するには冷却しかないと思うが、冷却カメラはかなり高価なので、なかなか購入には踏み切れない。

トリミングなし
トリミングなし

さて、こちら(↑)はトリミング無しの画像である(25%に縮小)。LPS-P2による色むらも若干除去しきれずに残っている。また左下には球状星団(NGC6544)が写っているが、かなり星が歪んでいることが分かる。25%に縮小してもこのぐらいの歪みになるので、周辺星像はかなり悪いことが分かる。やはりこの鏡筒でAPS-C全画面を使うにはフ ラットナーが必要だ。

参考までに、W.O.社のギャラリーに掲載されている、まともな空でFLT98により撮影されたM8の画像はこちら

なお、今回のガイドはいつものガイドウォークではなく、友人が開発中のオートガイドソフト(iAG)のα版とリレーボックスを試用して行った。いまのところ順調に動作している。

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