
- 【環境】2025/2/22 0:16 ~ 1:43(UTC +11:00)/オーストラリア サイディング・スプリング/気温 不明/光害レベル:不明
- 【光学系】RA501: Dall-Kirkham Astrograph D=510mm, f=2259mm (F4.4)
- 【カメラ】FLI PL-09000
- 【架台・ガイド】Planewave Ascension 200HR赤道儀:恒星時追尾・オートガイド無し
- 【ソフトウェア】MaxIm DL Version 6.30
- 【撮影法】センサー温度 -25℃
- R:180sec. x 8コマ、 G:180sec. x 9コマ、B:180sec. x 8コマ、
- 【処理法】
- 前処理(リニア):
- 画像キャリブレーション(ダーク・フラット補正)は撮影サービス側で実施。
- PixInsight: DBE, PCC, BlurXTerminator, NoiseXTerminator, RGB合成
- 後処理(ノンリニア):ステライメージ9・Photoshop
- 67%縮小、トリミングあり
リコー天体撮影サービスにて、オーストラリアの51cm望遠鏡で撮影した、ケンタウルス座の系外銀河NGC5128。この銀河は電波源「ケンタウルス座A」として有名である。
位置的には同じケンタウルス座にある全天一の球状星団「ω星団」の4.5°ほど北にあり、一応日本からも見えるが、高度が低く市街地からの撮影は難しい。位置は下図のとおり。

見える季節は春で、おとめ座のスピカから南へ真っすぐ下がっていったところにある。
楕円銀河の前面に太めの黒い暗黒帯が横切る特徴的な形状をしている。下はピクセル等倍の中央部切り抜き画像。

暗黒帯が銀河の前面に浮かんで逆光で照らされている、立体的な感じを出したかった。
大型の銀河で面白い形状をしているため、いつか撮影してみたいと思っていたが、南中高度が低いためにチャンスが無く実現できずにいた。南天低くに光害が無く開けている所に機材を持って遠征に行くのは一苦労であり、最近の体力の低下もあって、もう無理と思っていた。しかしリコー・リモートでオーストラリアの望遠鏡が使えるようになって、WEBから予約をするだけでとても簡単に撮影をすることが出来た。機材環境構築や撮影時の操作に関してはリコーにお任せであり、それらのスキルが全く不要である。
それは手軽な反面、達成感はあまり無い。例えるならオーストラリアに撮影遠征に出かける人に頼んで、1時間の時間限定で指定の天体を撮影してもらい、結果のファイルをもらうのと同じである。撮影結果は自分のものにはなるが、自分で機材を用意して撮影したものとはちょっと違う感じがする。とはいえ、達成感というのは苦労の裏返しでもあるので、それだけ苦労せずに手軽に撮影できるというところがメリットと考え「自分で撮った感」は横に置いておくのが良さそうだ。
さて撮影法に関しては、今回はL画像を撮影せずRGBのみの合成とした。私自身はモノクロカメラを持っていないため、LRGBとRGBのどちらにするべきかの判断に迷う。自分の機材で撮影時間に制約が無ければLRGBの方が良さそうだが、時間貸しのリコー・リモートでは実質的な合計撮影時間が短くなりがちなので、Lのコマ数が少なめになってしまう。それならばRGBの方が良いのではないかと思った。また画像処理に関してはLRGBよりRGBの方が楽に思う。
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