・48mm 2007年10月購入
・77mm 2008年10月購入
LPS-P2は、光害地での観測・撮影に有効であると言われる、光害カットブロードバンドフィルターとしてよく知られたものである。私も48mm径を昨年購入して眼視用に使っていたが、先日、望遠レンズでの撮影用に77mm径を追加購入した。はじめはFFフィルターにすることも考えたが、カメラを買い換えると使えなくなる可能性があるため、レンズ側に付けることにした。現在使っている望遠レンズ(EF200mm)は72mm径であるが、この先の使い回しを考えて77mm径を購入してステップアップリングで装着している。更に保護用としてL41 Super Proを重ねて付けた。
(1)眼視
さて、このLPS-P2フィルターの効果であるが、まず眼視用としては光害地(2~3等星が見える程度)の自宅で使用し、M天体の観測で用いたところ、ある程度の効果があった。以下は先日の「メシエ天体観測状況」からの引用である。
あと、光害カットフィルターの「LPS-P2」を常用している。これは48mm径のものを2インチ正立プリズムのバレルにねじ込んでいる(保護のため、プロテクターを重ねて装着している)。これを使うと、見えるか見えないかの瀬戸際の星雲が何とか見えるようになる。自宅でもフィルター無しでは見えなかったM65がこれで見えるようになった。しかし前述したように9等級の銀河のほとんどは依然として見えないので、劇的な効果ではなく「後一押し」という程度の効果だろう。
実際、私が使っている小口径望遠鏡(ED100Sf, SE120)では、星雲が見やすくなる反面、全体的に暗くなってしまうため、「見応え」という点では今ひとつである。そのため、光害があっても見える大型の散開星団では、ノーフィルターの方が(背景が明るくなったとしても)見映えがする。ただし、これは個人の好みであろうし、大口径ではまた違うのかもしれない。
(2)写真
次に写真での効果であるが、これは実際に撮影したものを見れば一目瞭然、はっきりとした効果がある。
この写真(↑)は光害地の自宅でSE2赤道儀にカメラを載せてノータッチガイドで撮影したものである(極軸も適当にしか合わせていない)。ホワイトバランスはオートで、KissX2のピクチャースタイル「スタンダード」でJPEG記録したものをトリミングで切り出して並べただけで、他に加工はしていない(レベルやガンマ調整など一切無し)。また、カメラは無改造である。見て分かるように、LPS-P2を用いると、フィルター無しの2倍の露出時間でも、背景は暗い。星の色がやや青っぽくなってしまうが、これは後の画像処理で修正出来るだろう。今後、遠征が出来ない平日に自宅で撮影する際には常用する事になりそうである。
なお、説明書による注意点として、入射角25~30度程度になると光害除去効果が無くなるので、製造上のバラツキを考えると入射角15度以内、カメラレンズでの画角制限としては30度以内との事である。これはおおよそフルサイズで85mmレンズ程度、APS-Cで55mmレンズ程度になるので、標準~広角の星野写真では使えないことになる。その点が残念である。
コメント