ケンコーSE102鏡筒の接眼部強化

SYNTA社のOEM望遠鏡は口径の割に安価で、気軽に購入してあまり気を遣わずに使えるところが良い。安価と言っても粗悪品ではなく、それなりにちゃんとした望遠鏡だし、コストダウンの結果か、軽量に仕上がっているところはむしろ利点でもある(12cmがポルタに載る)。私も気がつけば3本も所有していた(ケンコーSE102,SE120,ビクセンED100Sf)。

これらを使っているうちにどうしても改善したいところが出てきた。それが2インチ接眼部(2インチアダプター)である。私が所有している3本のSYNTA鏡筒はどれもここが貧弱で、2インチ正立プリズムやフリップミラーを接続すると、ネジをどれだけ締めてもガタガタと動く。

標準の2インチ接眼部
標準の2インチ接眼部

使っていてあまり気持ちの良いものではないが、低倍率眼視用なら脱落しない限り実害はないので、SE120についてはそのままにしている。

しかし、ガイド用のSE102はこのままでは良くない。実際、ガイド中にガタと思われるズレが発生している。そこで2インチ接眼部を強化することにした。方法は簡単で、ドローチューブに付いている元の2インチアダプターを外し、BORGの「56→M57/60ADII(#7914)」+「2インチホルダーSII(#7504)」に交換するだけである。

BORGパーツによる強化
BORGパーツによる強化

。#7914はSYNTA製の鏡筒にM57のボーグパーツを付けるために作られたアダプターで、割とがっちりしているし、回転装置も付いていて便利そうだ。

これで、フリップミラーをガタ無く固定できることが確認できた。

しかし、これで一件落着と思いきや、新たな問題が生じた。
ドローチューブをいっぱいに縮めてもピントが出なくなってしまったのである。フリップミラーの後にはガイド用カメラのNexImageを差し込んでいるが、改良前でもドローチューブをほぼ一杯に縮めてピントが合う状態であった。今回差し替えたボーグパーツは元のアダプターに比べてやや長いので、その結果ピントが合わない。

仕方がないので、フリップミラーに付属している42T->31.7mmアダプターを外し、代わりにショートタイプの31.7mmアダプタを付けた(これは以前笠井トレーディングで購入したもの)。

フリップミラーの光路長短縮
フリップミラーの光路長短縮

直角側は間に合わせで、42T->36.4アダプタと#7314を使ったが逆に短すぎるようで、同焦点にするためにアイピースがかなり浮いた状態になった。やはり直視側と直角側は同じものを使う必要がありそうだ。

結局、この改良のためにパーツをあれこれ使ったため、鏡筒の価格(約2万円ちょっと)の半分ぐらいの費用がかかってしまった。このように鏡筒本体はかなり安価だが、後で色々と手を入れなければならないことも考えておくべきだったと思う。

また、フリップミラーの代わりに笠井の2インチDX正立プリズムを付けようとしたが、これのバレルが2インチホルダー(#7504)より長く、#7914に干渉してしまって最後まで差し込めなかった。これの解決には長目の2インチホルダーか延長筒が必要になると思うが、その場合にもピントが出ないと思われる。したがって眼視用として2インチプリズムを主に使っているSE120は、今回の方法での接眼部改良は難しい。

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