ZWO ASI462MC

惑星撮影用にZWOの非冷却CMOSカメラASI462MCを新規購入した。

惑星撮影用カメラとしてはDeepSky兼用で冷却カメラASI183MC Proを導入して環境を構築、今年から使い始めていた。しかし得られた画像を改めて見ると大き過ぎる感じがする。ミューロン180Cに2.5倍パワーメイトでF30ぐらいになるが、画素ピッチ2.4μmの183MCではちょっと明るさも不足気味。

改善案としては、パワーメイト(またはバローレンズ)の倍率を下げるか、カメラの画素ピッチをもう少し大きめにするか2通りが考えられたが、天文雑誌やWEB上での情報では最近登場したSony IMX462センサー(画素ピッチ2.9μm)カメラの評判が良いので、カメラの方を更新することにした。

IMX462のカメラは、QHY社の「QHY5III462C」もあり、こちらは「UV/IRカットフィルター」と「IR850パスフィルター」が付属していてZWOのASI462MCと価格がほぼ同じなのでお得だと思ったが、まだあまり情報がないのと他のカメラがZWOなので、ASI462MCの方にしておいた。なお、IR850パスフィルターは別途購入したので、QHYの2種フィルターセットを買うより高くなってしまった。

物が到着して早速ASI183MC Proのセットから組み換えた。

ASI462MCによる惑星撮影機材構成(暫定版)
ASI462MCによる惑星撮影機材構成(暫定版)

ASI183MC ProはDeepSky兼用なのでEOSマウントを介して取り付けていたが、このカメラは惑星専用になるので31.7mmスリープでADCの後ろの31.7mm接眼部に取り付けることになる。光路長調整のため31.7mm延長筒を2段重ねで間に入れているが、たわみが大きく安定感に欠けるため後日T2延長筒などに差し替える予定。

防塵用クリアフィルターとUV/IRカットフィルター
防塵用クリアフィルターとUV/IRカットフィルター

これまではカメラマウントに防塵を兼ねてUV/IRカットフィルターを入れていたが、IMX462センサーは赤外域でモノクロカメラとしても使える特性があるので赤外も透過させたい。そこで31.7mmスリーブの先には防塵目的のみとしてオプトロンの「クリアフォーカシングフィルター」を入れた。ただし、このフィルターについては赤外域の透過特性の情報が見当たらないため、IRパスフィルターとの組み合わせで使えるかどうかは不明。BaaderのClear focusing filterは850nm以上の長波長域で80%程度の透過なので、おそらく同じようなものと思っているのだが、場合によっては外す必要があるかも。

クリアフォーカシングフィルターの先端にはフィルター重ね付けのためのネジが切られていないため、通常撮影時のUV/IRカットフィルターはパワーメイトの先端に装着した。IR撮影時はこれをIR850パスフィルターに替える予定。


とりあえずこれで木星と土星をRGBワンショット撮影してみた。撮影したのは9/8の夜で、台風10号の影響が残っていて風が強いためかシーイングは非常に悪く、眼視では川底の石のように全体的にユラユラだったが、テストなので強行した。

木星 2020/9/8 21:33 (JST)
木星 2020/9/8 21:33 (JST)
土星 2020/9/8 21:53 (JST)
土星 2020/9/8 21:53 (JST)

先月のシーイングが良かった時期に比べるとボケているが、撮影自体は問題なく行えた。

最初FireCapture v2.6がASI462MCを認識できず焦ったが、v2.7betaを入れ直して認識できるようになった。ただし記録形式で16bitのチェックスイッチが無効になっていて選択できず、8bit記録しかできなかった(HighSpeedモードOFFでも16bitが選択できず)。画像を見る限り惑星撮影なら8bitでも問題なさそうだが、せっかくの12bit出力なのにもったいない感じはする。パソコンのUSBポートやUSBケーブルはUSB3.0なのでUSB2.0モードにはなっていないはずだが、設定を見直す必要があるかも(SharpCapの方でRAW記録してみて確かめれば良いことに後で気が付いた)。

(9/14追記:表示オプションのDebayerを解除すると、16bitが選択できるようになった。画面上でカラー画像を見る場合はDebayerする必要があるので、録画前にDebayerを解除して16bitにチェックを入れるのを忘れそう)。

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