・2009年12月購入
現在、私が主に使用しているオートガイダーは「iAG」であるが、これはパソコンを必要とする。しかし遠征時にはあまり大きなバッテリーは持っていけないので、電力を食うパソコンは出来るだけ使用したくない。そういうわけで遠征用にスタンドアローン型のオートガイダーとして、LVIの「スマートガイダー」を購入した。
スマートガイダーの一式は割と小さなケースに収まっている。電源は12V、カメラとの接続はLANケーブルを流用しているようだ。赤道儀のオートガイド端子には6芯のモジュラーケーブルで接続する。また、ガイド星導入とピント合わせのための同焦点アイピース(K9mm)も付属する。
カメラ部をガイド鏡に取り付けてみた。ガイド鏡はミニボーグ60EDだが、ヘリコイドを付けたりドローチューブを変えたりして原形はとどめていない。対物レンズは口径6cm・焦点距離350mmで、更に1.5倍のバローレンズを付けて焦点距離を500mm程度まで伸ばしている。このガイド鏡とQcam S7500で、iAGではFLT98CF直焦点のオートガイドに成功した実績がある。
さて、早速セッティングを行い、M42を対象として試写を行ってみた。赤道儀はケンコーSE2、撮影鏡はW.O社FLT98CF(D=98mm, f=618mm)、カメラはEOS Kiss X2、LPS-P2使用、ISO100。今回はレデューサーは使用していない。
まずはカメラにガイド星を導入する必要があるが、慣れていないためか、なかなか難しい。フリップミラーの直角側に20mmのアイピース(約17.5倍)を付けているが、これでガイド星を視野中央付近に入れたつもりでも、スマートガイダーのガイド星検出段階で見つからないことが多い。仕方なくカメラを外して同焦点アイピースに付け替え、視野の真ん中に持って行くことにした。フリップミラーの直角側から低倍率で一発導入するには、十字線入りアイピースが必要だと思う。
また、星が見つかった場合でも、CCDの端に近い場合は赤道儀の微動を動かして中央付近へ移動させる必要があるが、移動中に星を見失うことが多かった。こうなると検出からやり直しとなってしまい、時間をロスする。ガイド星の導入に関しては、カメラ画像をリアルタイムでモニターできるパソコン使用方式ガイダーの方が上だと思う。
とりあえず明るめの星(2等星)を何とか導入した。星の検出と露出調整は約1~2分である。
次はキャリブレーションである。赤道儀のガイドスピード設定は0.5倍とした。
これは特に問題なく完了した。時間は2分~3分程度でちょっと長めである。
これでガイドを行う準備が出来たので、詳細設定をせずに早速スタートさせた。しかし赤経の誤差がプラス側とマイナス側交互に大きく振動してしまった。そこで赤道儀のガイドスピード設定を0.25倍にしたところ、誤差が小さくなり、振動も収まった。
この状態で試写を行った。
(↑)10分露出(ISO100)・画像中心付近・ピクセル等倍切り出し。良好にガイド出来ているようだ。
(↑)20分露出・画像中心付近・ピクセル等倍切り出し。これもまずまず(星が若干歪み気味であるが)。
次に、ガイド星として暗めの星(4等星ぐらい)を選んで、もう一度はじめからやり直してみた。
最初の2等星に比べると星検出の時間が長めとなった。露出時間は星の明るさで自動調整され、それによって修正信号が出る間隔も決まるようだ。したがって暗めの星では修正信号が出される間隔も長めとなる。これはユーザー側からは指示出来ないようだ。
この状態でガイドしてみたが、赤経側の誤差が大きくなり、撮影結果も芳しくない。
(↑)5分露出・画像中心付近・ピクセル等倍切り出し。
赤経方向に流れている。
このような場合、詳細設定(Advanced)を行う必要がありそうだ。
(続きは後日)
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