RStackerが、0.5.0βで、富士XシリーズのRAWファイル形式(RAF)に対応した。
撮影画像、ダーク画像、フラット画像をRAFファイルで読み込み、処理後の画像を同じくRAFで書き出す。
ただし、動作確認がされているのは今のところ、作者の所有するX-M1と私の所有するX-E2のRAFファイルのみである。
キヤノンのCR2に暫定対応した場合と同様に、カメラメーカー独自のRAWファイルは、そのデータ構造が公開されていないため、ファイルの中をバイナリエディタで見てデータ構造を類推して対応するしかない。これは、メーカーと契約していないフリーウェアの場合は致し方ない。
そのため、対応と言っても「現物合わせ」的な所があり、不具合はその都度直す必要がある(だから、β版となっている)。実際、α版ではRAWファイルが手元にあるX-E2でも若干の不具合があった。Xシリーズでは、他にX-E1とX-T1が星撮りに多く使われているが、作者の手元にRAWファイルが無いので、今のところ未確認である。
さて、これ迄もDNGファイルに変換すればXシリーズにも対応していたので、RAFを直接読めるようになった事の利点としては、
- 一旦DNG変換する手間が省ける。
- DNGの現像環境を持っていなくても、RAF対応の現像ソフトで処理できる。
- 処理済みのRAFをカメラに戻して、カメラ内現像が出来る。
等がある。
1.については、DNG変換自体がそれほど手間ではないので、あまり利点では無いかもしれない。
2.については、Lightroom等のDNG現像ソフトを持っていない場合、カメラ付属の「RAW FILE CONVERTER」で、処理済みRAFを現像できる。
3.は、例えばRStackerでRAW状態で比較明合成した画像をSDカードに書き戻し、カメラでJpeg画像を出力できる。Xシリーズのカメラ内現像は出来が良く、下手にパソコンで現像するより良い色のJpegが出来るケースが多い。星景写真を比較明合成してJpeg画像を得る場合などは、この手法を用いても面白いかもしれない。また、フィルムシミュレーションには色々面白い機能がある。
下の画像は、ダーク・フラット適用済みRAFファイルをSDカードでカメラに戻し、色を濃いめでカメラ内現像したもの(縮小のみ)。
ただし、星野画像をちゃんと画像処理するには、やはりパソコンで現像してTIFF等のファイルにしてコンポジットした方が良さそうだ。下の画像は、処理したRAFファイルを7コマLightroomで現像し、ステライメージでコンポジット、Photoshopで画像調整したもの。
画質的には、RAFの直接読み込みでもDNGに変換後でも同等である。
DNG変換後も、14bitの階調とカラーフィルター配列情報は保持されている。
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