今年元旦の未明、光害地である自宅にて撮影した「クリスマスツリー星団・コーン星雲(NGC2264)」とIC2169付近の画像を処理した。
撮影には先日購入したサイトロン「Quad BP Filter」を用いた。
- 2019/1/1 1:04 – 3:55 /兵庫県明石市
- 光害レベル:SQM-L測定値=19.0
- 気温 約 0℃
- EOS60Da
- BORG71FL+レデューサー0.72xDGQ(288mm F4.1)
- サイトロンQuad BP フィルター使用
- ISO3200, 120sec x 66
- ケンコーSE2赤道儀
- 笠井ガイドファインダー60, Lodestar Autoguider
- PHDによるオートガイド(Raspberry Pi + Stellarmate OS)
- RStackerによるダーク減算・フラット補正、ステライメージ8で加算平均コンポジット
- FlatAide Pro, Photoshop CCで調整。
- 4×4ソフトビニング後、周辺部を若干トリミング
この領域を選んだのは、Quad BPフィルターと天体向けデジカメを用いて、光害地の自宅から
(1)どの程度淡い星雲が撮影できるか。
(2)青色の星雲がどの程度写るか。
(3)その後の画像処理は問題なく出来るか。
を確認したかったため。
(1)については、「光害地にしては、予想よりは良く写った」が、やはり光害の無い遠征地で撮影したものに及ばない。例えばIC2169周辺の暗黒星雲などがほとんど分からない。(以前、兵庫県中部で撮影した画像では、一時間程度の露出ではっきり写っている。)
ただしこれは(3)の筋状ノイズを誤魔化すために埋もれてしまったので、ノイズ対策や露出時間の延長で改善できる見込みはある。
(2)について、青色の写りは非常に悪く、画像処理でかなり青色を強調する必要があった。
(3)について、今回の処理は色々と不明なところがあり、かなり苦労した。何度も試行錯誤を繰り返したので時間もかなりかかってしまった。正月休み最終日の今になってとりあえずの状態で仕上げたが、やや不自然な画像となってしまった。更に改善が必要とおもう。
特に困ったのは「格子状の色ムラ」と「筋状のノイズ」。
(下の画像)
格子状の色ムラはなかなか原因がつかめなかった。ダーク画像が合っていないとか、枚数が不足かと思ってダーク画像を色々撮り直したり、ダーク画像をやめてバイアス画像のみにするなど試したが、改善されず。
次にスタッキングをDeepSkyStacker(DSS)からステライメージ(SI)に変えると解消された。
DSSの設定が何か間違っているのかもしれないがよく分からないので、当面スタッキングはSIに戻すことにした。位置合わせなどを含めて処理自体はDSSの方が速いので、なんとかDSSで正常に処理したい。
筋状のノイズは以前からノイズが多めのデジカメ(主にEOS Kiss)で生じていたが、60Daでも強い処理を行うと目立ってくる。これは対症療法的には撮影時にディザリングすることで対処できるそうだ。しかしそうなると(私の手持ち機材では)撮影時にパソコンが必要になってくるので、ちょっと面倒になってくる(現在はRaspberry Piのみでオートガイド)。以前行っていたようにiAGにシャッターコントロールBOXを付けるか、もしくはBackyard EOSを購入してPHDと連携させるか。ただし後者ではPENTAXは使えない。
そうなると、どうせ自宅でパソコンまで使うのであれば、(夏のことも考えると)最近価格が手ごろになってきた冷却CMOSカメラの方が良いのでは、という気もする。
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