NGC3521 (光害地)

NGC3521
NGC3521 (しし座の系外銀河・光度8.9等、視直径9.5’)
  • 【環境】2020/2/24 2:22 – 3:54/兵庫県明石市/気温 3℃/光害レベル:SQM-L測定値=18.9
  • 【光学系】FLT98CF + EXTENDER EF1.4X (865mm F8.8) / SVBONY CLSフィルター + ZWO IR/UVカットフィルター
  • 【カメラ】ASI294MC Pro
  • 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/D=50mm F4ガイド鏡/Lodestar Autoguider
  • 【ソフトウェア】<撮影>APT3.82/ <ガイド>PHD2/ <処理>(下記の通り)
  • 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン300・180sec x 27コマ/PHD2によるオートガイド・APT連携ディザリング
  • 【処理法】
    • ステライメージ8によるダーク減算、フラット補正、デベイヤー、加算平均
    • Photoshop CC、ステライメージ8による調整(星消しにStarNet++併用)
    • ノイズ低減にDfine2(Nik Collection), Topaz DeNoise AI
    • 2×2ソフトビニング、640x640で切り出し

先日、系外銀河向けの光害カットフィルター比較を行ったが、結果が良かったSVBONY CLSフィルターを用いて、引き続きNGC3521の撮影を行った。

フィルター比較時はFLT98CFの直焦点だったが、この撮影には1.4倍のエクステンダーを追加した。しかしこれは蛇足だったようで、拡大し過ぎのためかピントが合わせづらく像が甘くなり、ピクセル等倍には耐えられない画像となってしまったため、2×2ビニングで50%に縮小した。これなら直焦点で撮影してピクセル等倍処理したほうが良かったと思う(または、「かに星雲」のように2倍Drizzle -> 2×2ビニング)。

それでも、渦巻の中のモヤモヤした部分や、暗黒帯、銀河全体を取り巻く雲がそれなりに写っている。光害地の口径10cmでは、この程度出せればまずます良いのではないか。無光害地なら同じ機材でも、もっと質をあげられるかもしれない。

なお、この銀河は中心部の輝度が非常に高く、今回の処理では完全にべったり飽和してしまった。

今回のノイズ処理には、いつも使っているCamera RAWのノイズ低減とDfine2(Nik Collection)の2つに加え、Topaz DeNoise AIを併用した。これらは全てPhotoshopのプラグインとして動作するため、レイヤーマスクを併用するなどの応用ができる。

Camera RAWはコンポジット後の最初の下処理に用い、星の赤・青ハロの除去と合わせてごく軽く適用している。主な処理後にはDfine使ってノイズ低減しているが、今回はTopaz DeNoise AIを試用版で入れて使ってみた。

DeNoise AIはシャープさやディテールを保持したままかなり強力にノイズ低減できるが、度を越すと急激に画像が破綻する。ちょっと癖があるので気をつけて処理しなければならない印象。それに比べるとDfineは安定していて、適用強さを上げていくと、破綻せずに連続的にぼやけていく感じ。またコントロールポイントを用いた部分処理ができるのもDfineの強み。

この両者をうまく使い分けるのが良さそうなので、DeNoise AIも試用期間が過ぎたら購入予定とした。望遠鏡周りのハードウェアから比べると、費用対効果はかなり高い。

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