系外銀河M81&M82・NGC3077・分子雲(小型鏡筒・光害地)

系外銀河M81&M82, NGC3077
M81&M82, NGC3077 (おおぐま座の系外銀河)
  • 【環境】2022/12/29~2023/1/25の期間の6夜//兵庫県明石市/気温 0℃~6℃/光害レベル:SQM-L測定値=18.1~18.8
  • 【光学系】BORG71FL+レデューサー0.72xDGQ(288mm F4.1)/ Comet BPフィルター
  • 【カメラ】ASI294MC Pro
  • 【架台・ガイド】AZ-GTi赤道儀モード/ASIAIR Pro/SVBONY 30mm F4ガイド鏡/ASI120MM Mini
  • 【ソフトウェア<撮影&ガイド>ASIAIRアプリ(Android)/ <処理>(下記の通り)
  • 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン200・オフセット30/180sec x 352コマ(1056分=17.5時間)
  • 【処理法】
    • 前処理(リニア):PixInsight ? WBPP, ABE, DBE, PCC, BXT
    • 後処理(ノンリニア):PixInsight・ステライメージ9・Photoshop
    • ピクセル等倍・トリミング有り

ステラナビゲータによると

  • M82(上):光度 9.3等 視直径 11.20′ x 11.20′
  • M81(下):光度 7.9等 視直径 21.38′ x 10.23′
  • NGC3077(左下):光度 10.8等 視直径 2.44′ x 1.85′

我が家のバルコニーは南西向きなので北極星は見えないし、北の高緯度の天体も見えない。そのため、春の系外銀河の中では大きくて撮りごたえのあるM81&M82も普段は撮影できない。しかし昨年末から北の空に見えていたZTF彗星(C/2022 E3)を何とか撮影するため、AZ-GTiをカメラ三脚で高く持ち上げて小型鏡筒のBORG71FLを載せていた。

そのため、この期間だけは北天を屋根越しに撮影することが出来ていた。そこで撮りためていた画像のうちNGC2403は既に処理済みだった。

今回はそれに続いてM81&M82を処理した。

昨年末からZTF彗星を撮影する待ち時間にぼちぼち撮影していたが、まとめてみると合計露出時間が17時間半にもなった。しかしその割に品質はそれほど良いとは思えない。ワンショットカラー撮影でむやみに長時間露出するよりも、モノクロでチャンネルを分けて撮影すべきかもしれない。

また今回の処理中には、ノイズ低減処理で消えない背景のムラが多く残っているのが気になった。トーンカーブを使って何とか消そうとしたが、よく見てみると、これはノイズによるムラではなく分子雲ではないかと思った。そこでWEB検索でM81&M82付近の分子雲画像を見ると分布が一致した。やはり長時間露出の甲斐があって分子雲が浮かび上がっているようだ。もちろん無光害地のようにモクモクとあぶり出せるわけではなく、ごく薄いので分かりにくい。存在が確認できるというレベルでしかないが、それでも光害地で北天の分子雲が確認できるのは驚き。

下はトリミング前の画像(33%に縮小)。f=288mm, フォーサーズセンサーでこの程度の写野になる。

M81&M81, NGC3077(f=288mm+フォーサーズセンサー・トリミング無し)
M81&M81, NGC3077(f=288mm+フォーサーズセンサー・トリミング無し)

なお今回もPixInsightによるリニア画像処理の最後にBlurXTerminator(BXT)を適用した。そのおかげか、今回はピクセル等倍切り出しできる画像が得られた。撮影鏡筒の焦点距離は288mmで、大型銀河であるM81を対象にするとしても短かすぎるが、ピクセル等倍切り出しだとそれなりに見られる画像となった。BXTは大変有用だと分かったので、試用期間が終わるとすぐに正式購入した。

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