ED100Sf直焦点のガイドウォークによるオートガイド

ED100Sf直焦点
ED100Sf直焦点

上の写真は、コンパクトデジカメの星空モードで撮影。光害によるカブリが広がり、空の状態が非常に悪い。 写っている明るい星は、おとめ座のスピカ。

先日から自宅ベランダでSE2赤道儀とガイドウォークによるオートガイドの試行をしている。ガイド鏡は先日購入したケンコーSE102を用いているが、撮影鏡筒はまだ決めかねているので、とりあえず最初は200mmカメラレンズで試してみた。それがうまくいったので、今回は眼視用に用いているビクセンED100Sfを載せてみた。この鏡筒は口径100mm・焦点距離900mmと、EDアポとしては暗め(F9.0)であり、鏡筒もかなり長い。実際、プレートに載せてみると、見るからにバランスが悪そうな状態となった。また、鏡筒が長いために設置や取り回しがしにくく、セッティングに際しての精神的ハードル(?)が結構高い。

カメラとの接続は、鏡筒付属の2インチホルダーにフリップミラーを付け、その後ろにBORGのM42ヘリコイドT【7839】とビクセンTリングを付けてカメラに接続した。これで、ED100Sfのドローチューブをほとんど縮めた状態で合焦した。また、LPS-P2フィルターを、ステップダウンリングを介してフリップミラーの2インチバレル先に付けた。なお、直角側には対象確認用のアイピース(PL25mm)を付けたが、スリーブを徐々に抜いていってもピントが出ない。もう少し延長してやる必要があるようだ。カメラ側のピントはライブビュー10倍拡大でM42ヘリコイドTにて合わせたが、鏡筒が長いためか、結構振動して合わせにくかった。


5分露出で撮影した画像中心部のピクセル等倍切り出し

さて、結果であるが、これ(↑)はM46をISO800・5分露出で撮影した画像中心部のピクセル等倍切り出しである(jpegから切り出し・無加工)。残念ながら、やや流れてしまっているようだ。ガイドウォークの誤差表示でも、デフォルト表示レンジの2.5をはみ出す誤差が出ていたので、やはりもう少しバランスやガタ、極軸などのセッティングを見直したほうが良さそうだ。また、ガイド鏡の焦点距離(500mm)が撮影鏡の半分程度なのも気になる。


右上部分のピクセル等倍切り出し

こちらは同じ画像の右上部分のピクセル等倍切り出しであるが、同様にやや流れている。
なお、このガイドエラー分を差し引いて見ると、右上でも星像の歪みはほとんど無い事がわかる。F9と暗いだけあって、無理のない設計になっているのだろうか。


M46&NGC2438(ED100Sf直焦点)
とも座の散開星団M46 & 惑星状星雲NGC2438(ED100Sf直焦点)
  • 【環境】2008/12/27 0:18 – /兵庫県加古川市/気温不明/光害レベル:SQM-L測定値=17.8
  • 【光学系】VIXEN ED100Sf(D=100mm f=900mm) 直焦点/LPS-P2フィルタ使用
  • 【カメラ】EOS Kiss X2(無改造)
  • 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀
  • 【ソフトウェア】<オートガイド>ガイドウォーク<撮影> – <処理>(下記の通り)
  • 【撮影法】ISO800/300sec. x2
  • 【処理法】:ステライメージによる処理、2X2ソフトウェアビニング、トリミングあり

元画像をステライメージ6で2×2ソフトビングすると流れは目立たなくなるので、厳しい見方をするのでなければ、おおむね実用になると思う。


画像全体を横800x縦533に縮小
画像全体を横800x縦533に縮小

こちら(↑)は画像全体を横800x縦533に縮小したもの。周辺減光はそこそこあるようだ。


M104のピクセル等倍切り出し
M104のピクセル等倍切り出し

こちら(↑)は別の日に同じくISO800・5分で撮ったM104のピクセル等倍切り出しである(これは5枚コンポジットの上、画像処理した)。これについては上記のM46と同じセッティングで撮ったはずだが、ちゃんとガイドできている。やはり、微妙なバランスの加減が影響してくるのだろう。なお、この日は透明度が悪い(ほとんど薄曇りといって良い状態)の中を強行して撮影したので、非常に質の悪い画像になっている。しかし、春から夏にかけては晴れてもこのようなぼんやりした空の状態が続くので、これからどの程度まともに写すことが出来るのか、心配である。

とりあえず、ED100Sfでも(ガイド成功率は低くなるが)ちゃんと直焦点で撮れることがわかった。しかし、やはり鏡筒が長すぎ、F値も暗くて使いにくいので、500~600mm程度のアポ鏡筒を用意したいところである。

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