オートガイドソフトウェア「iAG(intelligent Auto Guider)」のβ版(フリーソフト)が公開となった。これはWindowsパソコンのUSB端子に接続したカメラとリレーボックスで、赤道儀のオートガイドを行うものである。私はこの春からα版のテスターとして開発に関わってきた。
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説明書の「開発経緯」によると、
インターネットで探してみると汎用入出力デバイスであるUSB-IOを使用したフリーのオートガイドソフトGAGP1が公開されていたため、しばらくはありがたくこれを使用させていただいておりました。しかしながら雑で不精な私にとってはパラメータ出しなどの作業がわずらわしく、もう少し楽してオートガイドできないかなぁと思いました。そこで開発したのがこのソフトウェアiAGです。(このような経緯からUSB-IOを用いたリレーボックスの仕様は、GAGP1とほぼ互換になっております。)
なので、リレーボックスはGAGP1互換とのこと。
画面はこんな感じ(↓)。
右下の「config」ボタンを押すと設定画面が現れるが、設定項目は複数のタブに分かれていて、かなり多い(私が色々と注文を付けてきたのも、項目が増えた一因かも)。
しかし、とりあえずは説明書の「クイックスタート」の手順通りに設定していけば、概ねうまくガイド出来ると思う。configを細かく調整するのは、デフォルトでガイドがうまく行かない場合だろう。
下はキャリブレーション後、ガイドしている様子。
この日は薄雲を通して無理にガイドテストしたため、背景のノイズがかなり多かったが、複数フレームの加算平均処理によって改善できる。
デフォルト以外の面白い機能として、「DEC Auto 1way Disable」がある。これは、赤緯の修正を一方向のみに制限するもので、赤緯軸のバックラッシュによる影響を低減できる。ただし、赤緯のどちら方向への修正を無効にするか判別するため、通常より長いキャリブレーション時間が必要となる。それと、赤緯の修正方向が変わってしまうほどの長時間露出では利用できない。
下は「DEC Auto 1way Disable」によるガイド。赤緯の修正回数がかなり減少している。
赤色の「EXP」ボタンは、カメラの露出制御ボタン。露出制御中は赤色になる。露出制御は、リレーボックスからカメラへ自作のケーブルを接続して行う(私の用いているEOS KissX2では、リレー出力をステレオミニプラグに接続する)。
これ(↓)は、露出の設定画面。ミラーアップにも対応している。
さて、このようなフリーのオートガイドソフトを利用するときに問題となるのが「リレーボックス」の自作だ。電子工作が得意な人なら「回路図」を見ただけで作れるのだろうが、そうでない人は(私もそうだが)、なかなか手を出しにくい。私の場合は、結局それがネックとなってフリーのガイドソフト導入に踏み切れず、昨年末に「ガイドウォーク」を購入した経緯がある。
このiAGに関しては、α版テストに関わるということで、開発者からリレーボックスとSE2赤道儀用ケーブル、KissX2用のシャッターコントロールケーブルの提供を受けることができた。しかし、自分だけで部品選定から始めてリレーボックスやケーブル類を用意するのは無理だったろう。
しかし、この趣味を続けていると、様々な場面で穴を空けたり削ったり、電気回路を組んだり、工作のスキルが必要とされることが多くなってくる。リレーボックスはとりあえず手元にお手本が1つあるので、ハンダゴテなどを購入して、一度自分で作ってみようかとも思う(いつになるか分からないが)。
最後に、このiAGのα版テストを兼ねて撮影した画像を示す。いずれも光害地の自宅からの撮影なので質は良くない。
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