前回、RStackerでRAFファイル(富士XRAWファイル)を処理してRAFで書き出せるメリットとして、処理済みRAFをSDカードでカメラに戻してカメラ内現像(フィルムシミュレーションなど)ができる事を挙げた。
しかし、書いてから気が付いたが、Adobeの現像ソフトであるCamera RAWでも、8.4からカメラプロファイルの切り替えで富士のフィルムシミュレーションが可能になっている。これがカメラ内シミュレーションと同等なら、わざわざ手間をかけてカメラに書き戻す必要はないし、現像結果も16bitTIFFで書き出せる。
その確認のため、LightroomのCameraRAW8.5による現像のカメラプロファイルを標準である「Adobe Standard」と、「Velvia/VIVID」の2通り、それとX-E2のカメラ内現像の「Velvia/VIVID」を比較した。
現像元のRAFファイルは、前回Rstackerでダーク・フラット処理したもので、現像後、25%に縮小して、中央部付近を切り出した。
CameraRAW(Lightroom)の現像では、AdobeStandardは色は薄めで、特に恒星の色彩が乏しいように思える。しかしVieviaでは彩度が上がっている。
同じVelviaでもカメラ内現像の方は若干おとなしめ。
ただしこれらの結果は、カメラプロファイル以外のパラメータによっても変わってくるので、はっきりしたことは言えない。
星野写真は写真としては特殊な分野なので、今ひとつ違いが分かりにくいし、結局後で色々処理するので、あまり参考にならないかもしれない。
そこで、朝焼けと金星を写した画像で再確認した(現像はPhotoshopだが、Lightroomと同じCameraRAW8.5)。
この画像は違いが分かりやすい。Adobe Standardはくすんだ感じだが、本来の色はこれが正しいのかも。Velviaはいわゆる記憶色で、彩度が高め。Photoshop(CameraRAW)とカメラ内現像はほぼ同じだが、Phootoshopの方がやや色が濃いように思える。
これなら、カメラ内現像の手間をかけなくても、パソコンのPhotoshopかLightroomのフィルムシミュレーションで事足りる。
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