光害地における春の満月期は、Quad BPにて月明下でも撮影出来るような散光星雲や惑星状星雲が少ない。また透明度が悪いために系外銀河も外縁部の写りが悪い。比較的写りやすい大型の球状星団も少ない。主要惑星もまだ明け方の東天で低い。
そういうわけで、せっかく晴れても撮影対象があまりないので、久しぶりに「都会で星を楽しもう(DSO観望ガイドブック Vol.3)」を引っ張り出してきて、二重星をいくつか撮影してみた。
共通データは下記の通り
- 撮影日時:2021/4/21 22:00~23:00頃/明石市
- ミューロン180C(直焦点), UV/IR Cut Filter
- ASI183MC Pro, 冷却 0°C
- 処理:AutoStakkert!3(スタック), StellaImage9・PhotoshopCC(調整)
- フラット・ダーク処理なし、ピクセル等倍
今回、バローレンズなど拡大光学系は入れておらず直焦点だが、カメラについては所有する中で最もセンサー画素ピッチの小さなASI183MC Proにして、解像度を高めている。
【かに座ι】
- Gain=240, 30msec. , 50% of 4994 Frames
「春のアルビレオ」とも呼ばれる「かに座ι(イオタ)」。角距離が大きく容易に分離できる。今回は眼視観測はせずモニター上での確認のみだが、黄色と青色の対比が美しく、たしかにアルビレオぽい。
【しし座γ 「アルギエバ」】
- Gain=200, 60msec. , 50% of 9954 Frames
しし座γ (ガンマ)「アルギエバ」。角距離4.7″と近い距離で2~3等級の明るい金色の星が並んでおり、それが大気のゆらぎでキラキラしてとても華やか。スタック処理すると上の画像のようにゆらぎ成分が平均化されて丸くなり落ち着くが、これは動画で見たほうが雰囲気が伝わるかもしれない。
【かみのけ座24番星】
- Gain=250, 65msec. , 50% of 4648 Frames
これも「春のアルビレオ」と呼ばれているそうだ。黄色系と青色系の星が大きな角距離で並んでいると、アルビレオのような印象になりやすいのかもしれない。
【ろくぶんぎ座35番星】
- Gain=303, 100msec. , 50% of 2999 Frames
暗くて派手さはないが、いい感じに渋めで落ち着いた印象。主星は黄橙色系、伴星は青白色。
二重星の撮影は優先度が低く、今回のように他にあまり対象が無い場合になると思うが、やってみると結構面白いので、気長に継続していきたい。
コメント
こんばんは。初めまして。神戸市垂水区在住です。
いつも楽しみにそして勉強させて頂いています。
光害地でもこんなに素晴らしい写真が撮れると思うと大変励みになります。
これからもどうぞよろしくお願い致します。
やまちゃんさん、こんばんは。
ご覧くださりありがとうございます。
ご近所様ですね!
光害に負けず撮影できるものを選んで、ぼちぼちやっています。
これからもよろしくお願いいたします。