- 【環境】2023/1/29 1:04 – 4:02/兵庫県明石市/気温 0℃/光害レベル:SQM-L測定値=19.1
- 【光学系】BORG71FL+レデューサー0.72xDGQ(288mm F4.1)/ Comet BPフィルター
- 【カメラ】ASI294MC Pro
- 【架台・ガイド】AZ-GTi赤道儀モード/ASIAIR Pro/SVBONY 30mm F4ガイド鏡/ASI120MM Mini
- 【ソフトウェア<撮影&ガイド>ASIAIRアプリ(Android)/ <処理>(下記の通り)
- 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン200・オフセット30/180sec x 60コマ(180分)
- 【処理法】
- 前処理(リニア):PixInsight – WBPP, ABE, DBE, 彗星核基準で加算平均(星消去)
- 後処理(ノンリニア):PixInsight・ステライメージ9・Photoshop
- 2×2ソフトウェアビニング・トリミング有り・星は1/29 1:04時点の位置で合成
2023/1/29未明、光害地の自宅で撮影したZTF彗星(C/2022 E3)。
現在彗星はこぐま座を抜けてきりん座に入ったところ。光度はステラナビゲータの値で5.1等。今回、SQM値は19.1と自宅にしては良い値だったが、イオンの尾が背景に埋もれてあまり写らなかった。肉眼では快晴に見えたが透明度がやや悪かったのかもしれない。ダストの尾とアンチテイルもやや写りが悪いように思う。これは空のせいで、ピークアウトではないと思いたい。ただしこれからは月が太くなってくるので、暗夜の良好な条件で撮影できるのはここ数日で終わりになりそうだ(週末としてはラストチャンスだった)。
やはりイオンの尾をはっきり写すにはSQM=20~21程度は必要と思い、昨夜は土曜の夜ということもあって、ポータブル赤道儀と一眼レフを持ってどこかへ遠征するつもりだった。しかし現在10年に一度と言われる寒波により兵庫県中部は降雪の可能性あり、南部でも山間部では道路凍結の恐れがあるということで、ノーマルタイヤしか履いていない我が家の車で出かけるのは危険と思い中止した。以前遠征を多く行っていた時は冬季にスタッドレスタイヤに履き替えていたのだが、それでも凍結路で滑るなど怖い思いをした経験があり、冬季に夜間の山間部に車で行くことは控えるようになった。現在は遠征をあまりしないのでスタッドレスタイヤの購入は割に合わずノーマルタイヤのままなので、今回のような日には車を出せなくなった。
ヘール・ボップのように一生のうちに出会えるかどうかというクラスの彗星であれば、スタッドレスタイヤを購入したうえで宿泊施設を使ってでも暗いところへ出かけたと思うが、今回のような5等級では、なかなかそこまで思い切ることが出来ない。
なお今回の画像処理では彗星核基準の加算平均合成にて星消しがうまくいったので、恒星無しの彗星画像3時間分のスタックと、1:04時点の恒星画像を合成した。Comet BPフィルターを使ったうえで3時間の露出をしてもイオンの尾が出るかどうかというレベルにしかならないので、やはり光害の有無の差は大きい。
ZTF彗星は明け方4時40分頃に南中して高度が48度まで上がったので、そのタイミングで7cm10倍の双眼鏡で眼視してみた。彗星はすぐにわかり、大型の球状星団のように丸くボヤっと見えたが、尾は分からなかった。
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