- 【環境】
- 2023/2/26 23:58 ~ 2/27 02:52 / 兵庫県明石市/気温 0℃/光害レベル:SQM-L測定値=19.1
- 2023/2/28 00:26 ~ 2/28 02:44 / 兵庫県明石市/気温 4℃/光害レベル:SQM-L測定値=18.1(月齢7.4の月明あり)
- 【光学系】R200SS + エクステンダーPH(1120mm F5.6)/ Comet BPフィルター
- 【カメラ】ASI294MC Pro
- 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/ガイド鏡:ミニボーグ50+クローズアップレンズNo.2/ガイドカメラ:ASI178MM
- 【ソフトウェア】<撮影>N.I.N.A 2.1/ <ガイド>PHD2/ <処理>(下記の通り)
- 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン200・オフセット30・180sec x 100コマ(合計300分)/PHD2によるオートガイド・ディザリングあり
- 【処理法】
- 前処理(リニア):PixInsight: WBPP, ABE, DBE, PCC, BlurXTerminator, NoiseXTerminator
- 後処理(ノンリニア):ステライメージ9・Photoshop
- ピクセル等倍・トリミング有り
光害地の自宅で在宅撮影した、やまねこ座の系外銀河NGC2683。
この銀河は、やまねこ座の南の端でかに座との境界線近くに位置している(下図参照)。
視直径は9分程度で、光度も9.7等とメシエ天体並の大きさと明るさがある。
春の空のこの辺り(かに座・しし座・うみへび座辺り)は、冬の大三角周辺の星雲密集エリアと、おとめ座・かみのけ座・りょうけん座周辺の系外銀河密集エリアの狭間になっていて、光害地で撮影できる明るめの撮影対象が比較的少ない。北天ではおおぐま座のM81&M82やいくつかの大きめの銀河があるが、我が家のバルコニーは北天が見えない。そのため、この辺りが撮影対象になる時期・時間帯はNGC2903やM44・M67、あとはしし座の銀河トリオを撮るしかない。散開星団は街中で撮ってもあまり見栄えがしないので、結局いつも渦巻きのきれいなNGC2903を撮ってしまう。
ただ毎回それでは面白くないので、NGC2903よりは少し小さくて暗いが、今回はこの「UFO銀河」を撮ってみた。意外にこれまで撮ったことが無く、今回初めての撮影。
「UFO銀河」の呼び名は見た目そのままで、円盤型UFOを横から見た形になっているから。それを言うならばエッジオン銀河は全てUFO銀河になってしまうが、このNGC2683は若干斜めになっており、円盤型であることが分かる。
今回の画像処理ではPixInsightのリニア処理段階の最後にBlurXTerminatorと NoiseXTerminatorを使用した。BlurXTerminatorの効果は大きいことが分かったので既に購入していたが、NoiseXTerminatorについても試用してみた。
これまでリニア段階でのノイズ低減については、PixInsightのものを試してみたがあまり上手くいかず、結局行わないできた。ノイズ低減はストレッチ後にPhotoshopでCamera Raw、Dfine、DeNoise AIを使って行ってきた。しかし星雲・銀河の淡い部分が背景の光害に埋もれてしまうギリギリのところのノイズが消しきれないため、上流のリニア段階である程度ノイズを消しておいた方が良いのではないかと思い、使用してみることにした。
結果としては良好で、星雲のディテールをあまり損なわず背景のザラザラを低減できた。ただし、背景の色ムラが大きな周期のモヤモヤとして出てしまうようなので加減が難しい。下の例のNoiseXTerminatorのパラメータは、Denoise=0.80, Detail=0.15。Denoiseが0.90では効きが強すぎて画像がぼやけ気味で、0.70では背景ノイズがまだかなり残る。0.80ぐらいがちょうどいい感じ。若干残る背景ノイズは従来通りノンリニア段階で低減した。
なお、NoiseXTerminatorはPixInsightのプラグイン版とPhotoshopのプラグイン版があり、今回の試用登録ではその両方を使うことが出来た。つまりPixInsightでのリニア段階と、Photoshopでのノンリニア&最終調整段階の両方で使うことが出来て、お得な感じがする。もうすぐ使用期限が切れるので、おそらくこれも購入することになると思う。
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