【天文コラボ】叡山電車×恋する小惑星

恋する小惑星(アステロイド)」は、そのかわいくてゆるふわな絵柄にもかかわらず、かなりガチな地学部漫画。その内容は天文だけでなく地質(石)、気象、地理(地図)など地学周辺の全般にわたっていて、結構勉強になったりする。天文部系漫画でのガチ度でいえば「宙のまにまに」と同じか、分野の広さでは上回る。2020年にアニメ化されたときは「星ナビ」のアストロアーツが製作協力しており、星ナビでも特集されて話題となった。またビクセンコラボ商品を発売しているし、2023年版の理科年表ともコラボした。

アニメも終了して3年経ち少し忘れた感もあったが、漫画の連載は継続しており、2023年1月から単行本5巻の発売に合わせて、京都の叡山電車とのコラボが行われている。叡山電車に乗る機会というのは日常生活中では全く無く、思い出してみると30年ほども前に鞍馬・貴船に行った記憶がうっすらとあるぐらい。もちろん「きらら」・「ひえい」のような観光車両も見たことが無かったので、これを機会に乗ってみることにした。

(2023/4/24追記) 好評につきコラボ期間が2023/7/2まで延長され、追加イベントやグッズ追加もあるようだ(詳細はこちら)。

叡山電車に乗るには京阪電車から出町柳駅で乗り継ぐのが便利なので、まずはJRで京橋へ行き京阪に乗り換えた。

京阪電車 京橋駅
京阪電車 京橋駅

京橋から乗車したのは快速特急「洛楽」

京阪 快速特急「洛楽」・出町柳行き
京阪 快速特急「洛楽」・出町柳行き

京阪特急は近鉄特急と異なり特急料金は不要。ただしその分混んでいるので、確実に座るためにプレミアムカー(有料)を予約した。

「洛楽」プレミアムカー
「洛楽」プレミアムカー

シートは3列(1+2)で、ゆったりしていて快適。

「洛楽」プレミアムカー車内
「洛楽」プレミアムカー車内

ここで、列車内にトイレが無い事に要注意。京阪電車は運転時間が短いので全ての列車にトイレが無いようだ。この「洛楽」は他の京阪特急と違って京橋から七条までノンストップで、トイレがピンチの場合も降りることが出来ないため、トイレが近めの人は気を付ける必要がある。それから自販機も無い。

あっという間に出町柳に到着し、京阪の地下駅から地上に上がると叡山電車の出町柳駅に出る。

叡山電車 出町柳駅
叡山電車 出町柳駅

恋する小惑星コラボによるヘッドマーク掲出車両(723号車)の運用状況が分からないため、とりあえず一度乗ってみたかった「きらら」に乗って鞍馬へ向かった。「きらら」の名前の由来は修学院から比叡山に通じる登山道の「雲母坂(きららざか)」だそう。

叡山電車「きらら」(900系)
叡山電車「きらら」(900系)
「きらら」車内
「きらら」車内

車内は広い窓とゆったりした座席配置で広々としている。窓側に向いた横向きのシートがユニーク。

山中をすすむ叡山電車「きらら」車内から
山中をすすむ叡山電車「きらら」車内から

今はまだ木々に葉がついていないが、所々で白やピンクの梅やヒガンザクラ(?)を見ることが出来た。新緑や紅葉の季節は本当にきれいなのだろうと思う。

出町柳駅から30分程度で鞍馬駅に到着。

叡山電車 鞍馬駅
叡山電車 鞍馬駅

ホーム屋根の天狗の飾りやランプは、夜に見ると幻想的かも。

鞍馬駅 外観
鞍馬駅 外観

鞍馬駅は「近畿の駅百選」の一つだそうだ。

鞍馬駅
鞍馬駅
鞍馬駅 待合室
鞍馬駅 待合室
鞍馬駅前 天狗のオブジェ
鞍馬駅前 天狗のオブジェ

駅前の天狗のオブジェは2019年に更新された2代目。

鞍馬では駅前を少し見ただけで、すぐに上り電車に乗って出町柳方面へ引き返した。なぜなら、先ほど乗ってきた下り「きらら」の中から、修学院駅横の修学院車庫前に停車しているコラボヘッドマーク掲出機(723号車)を見たから。それで出町柳行きの列車を修学院駅で降りてみると、確かにまだそこに留まっていた。

叡山電車 700系723号機・修学院駅ホームから撮影
叡山電車 700系723号機・修学院駅ホームから撮影

この車両は2020年10月にリニューアル工事を受けた。塗装は「水が豊かで山紫水明の地である洛北の自然を表現した青色」だそうだ。確かに濃い青色が美しい。

しかし、この日は運用が無いのか、待っていると出庫するのか、全くわからず。こういうのは鉄道ファンの間では運用情報が出回っていたりするんだろうか。叡山電車のイベント公式では特別なイベント時には運用情報を公開しているようだが、通常の日の情報は無さそう。

「恋する小惑星」コラボヘッドマーク
「恋する小惑星」コラボヘッドマーク

駅ホーム側から見えるヘッドマークは鞍馬側で「先輩版」。出町柳側の方は駅の外に出てどこか見えるところから撮る必要がありそうだが、まわりは私有地ぽくて止めた。

叡山電車 700系723号機・修学院駅ホームから撮影
叡山電車 700系723号機・修学院駅ホームから撮影

駅近くの喫茶店で昼食をとってしばらく時間をおいてみたけど、動く気配なし。

うーん・・・・。

ボヤっと待っているのも退屈なので、あきらめることにした。それでも駅から一番見えやすい場所に置いていてくれることはありがたい。奥の方だと気が付かなかったと思う。

諦めたときにちょうど出町柳行の「ひえい」が来たので乗ってみることにした。

観光列車「ひえい」(700系732号車)・修学院駅
観光列車「ひえい」(700系732号車)・修学院駅

この車両は2019年に鉄道友の会のローレル賞を受賞している。非常にインパクトのある独特のデザインだが、これは「「神秘的な雰囲気」や 「時空を超えたダイナミズム」といったイメージを「楕円」というモチーフで大胆に表現しています。」だそうだ。同行のA-2さんによると「虚無を感じるので怖い」らしい。それは分からないでもない。

車内から見る窓も楕円。

「ひえい」車内窓
「ひえい」車内窓

窓とシートのピッチを合わせたデザインが上手いと思った。

「ひえい」・出町柳駅
「ひえい」・出町柳駅

出町柳駅に帰着。

出町柳駅にはコラボ企画缶バッジのカプセルトイ販売機があったが、さすがにこの缶バッジは使い道が無いので回さなかった(コレクターアイテムは使い道を考えるものではないが)。

恋する小惑星・コラボ缶バッジ
恋する小惑星・コラボ缶バッジ

コラボ掲示ポスターにはあまり気が付かなかった。確認できたのは2つのみ。

桜井美景(鞍馬駅)
真中あお(修学院駅)

「木ノ幡みら」は出町柳駅の降車ホームにあるのに後で気が付いた。

それから、原作者のQuroさんのサイン色紙が修学院駅の定期券売り場に掲示されていることも後で知った(修学院駅にはしばらくいたのに)。あまり下調べせずに思い付きで行ったので、いろいろ取りこぼしが有った。特にコラボ号車が運用されていなかったのは残念。自分はTwitterをやっていないが、えいでんのイベント公式アカウントの情報ぐらいは集めておくべきか・・・。


さて、叡山電車巡りの後は、もう一つの目的地である「益富地学会館」へ行ったが、それは別記事にする予定。

そこでも長時間立ちっぱなしで結構疲れたので、帰りの電車ではどうしても座って帰りたかった。そこで京都から西明石まで新幹線に乗ろうとしたが、ちょうどよい時間に「スーパーはくと」があることに気が付いた。新幹線よりもそちらの方が断然楽しいので、京都から明石まで「スーパーはくと」乗車に決定(乗車した11号は西明石には止まらないので明石まで)。

京都駅では少し時間に余裕が有ったので、改札に入る前に駅ビル9階の「KATO京都駅店」を少し覗いてみた。ここには店オリジナルのモデルが多くあるが、どれも高くて手が出ない。「古の都のSL列車 チビロコセット」は買おうか少し迷ったが結局やめた。

「スーパーはくと」は10年以上前に鳥取に何かの出張で乗った覚えがあるが、プライベートでは初めて。ただ今回は智頭急行線に入る前に降りるので、振り子が威力を発揮するのを体感はできない。

スーパーはくと HOT7000系気動車

使用車両はHOT7000系気動車。1994年に運用開始されたので、もう30年近くが経過して老朽化している。それで2024年以降に更新される予定があるそうだ。現在、各地の気動車がハイブリッド式などの電気モーター式に置き換わっているので、これの後継もどうなるか。

スーパーはくと 普通車指定席シート
スーパーはくと 普通車指定席シート

普通車シートは木目調のぬくもりが感じられる落ち着きのあるデザイン。

スーパーはくと 普通車指定席シート
スーパーはくと 前面映像

車室の前方壁モニターには、先頭車からのカメラ映像が映されている。

スーパーはくとは、京都~西明石間の複々線区間では新快速と同じ列車線(外側線)を走るので、新快速と同じ最高時速130kmで走行する。気動車が強力なエンジンを唸らせて加速し、並走する快速や普通の電車を次々とブチ抜いていくのはとても楽しい。

普通電車を抜いていくスーパーはくと
普通電車を抜いていくスーパーはくと

ただそう思っているのは鉄道ファンだけで、普通の乗客は静かに過ごせる電気モーター車の方が良いのかもしれない。

スーパーはくと 貫通型先頭車
スーパーはくと 貫通型先頭車・明石駅

明石でスーパーはくとを降りて帰宅。

後ろ側の先頭車は貫通型だった。これが前側の先頭車に使われてしまった場合、せっかく最前列座席を確保しても前面展望は望めなくなる。ガッカリ車両。


なお、今回見た叡山電車の723号車(青色)だが、722号車(赤色)と共にトミーテックの鉄道コレクションからNゲージ模型化されるようだ。

叡山電車700系 リニューアル723号車(青)|製品をさがす|ジオコレ
「ジオコレ」とはバス・トラック・車・電車・機関車・建物などを実物の1/150又は1/80で忠実に再現したシリーズの総称ブランドです。

2023年7月予定なのでまだ先だが、きれいな色の車両なので、これは買うと思う。

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