先日、叡山電車に乗りに京都に行った帰りに、京都御所の西にある「益富地学会館」に立ち寄った。これは鉱物・鉱石関連施設をユルく巡る活動の一環(鉱物カテゴリタグ)。ここは以前から行ってみたかったが、なかなか機会が無く、今回やっと立ち寄ることが出来た。
ここは昭和48年に益富寿之助博士によって創設され、平成24年には公益財団法人となった。「年間10,000人の見学者が訪れる鉱物、化石、岩石研究のメッカとして国内外に有名な施設」とのこと。また、毎年大阪と京都でミネラルショー「石ふしぎ大発見展」を開催している。
展示室は3階で、一般に公開されているのは基本的に「土日祝」のみ。また時間も10時から16時と短め。料金は大人300円、18歳以下無料と、とても安い。
早速入って、入館料を支払いスリッパに履き替え、3階の展示室へ向かった。展示室は写真撮影OK。
このフロアは床置きのガラスケースの他、壁面も全て展示棚でぎっしり埋められている。展示物の密度は、パッと見た部屋の広さから受ける印象の数倍ぐらいある。
そして、展示室の一角のカウンターには先生が常駐されていて、分からないことなどの質問に対応して頂ける。また持ち込んだ石の鑑定もして頂けるそうだ(会員は無料、非会員は有料)。
カウンターに置かれた水晶玉やテレビ石を自由に触って、イラストを透かして見たりしながら、光の屈折に関する石の性質などを先生に説明して頂いた。
テレビ石はこれまでどこの展示施設でもケースの中に展示されているだけで触ることが出来ず、画像の浮き上がり効果を今一つ実感できなかった。しかしこうして自分で触って角度などを変えながら見ると、石の表面に下の画像が浮かぶ上がるところが良く分かった(写真では分かりにくい。肉眼では本当に浮かび上がって見えた)。これは「光ファイバー」の原理とを同じで、むしろこれを応用して光ファイバーが出来ているそうだ。
サヌカイトという石を鹿の角で叩く体験コーナー。一体何のことかと思ったが、叩くと軽くて澄んだきれいな音がした。同行のA-2さんは、学生時代から「地学大好き歴女」だったのでたいそう気に入った様子。縄文人がこれを叩いていたそうだ。へえー。
天文関連としては「隕石コーナー」があった。
金属が引っ付く磁鉄鉱。これは昨年秋に行った柵原(やなはら)鉱山産で、そこの鉱山資料館にも展示されていた。
巨大な黄鉄鉱。これはすごい。
みんなだいすきフローライトいろいろ。
自然の中でこんな奇妙な形や色になるのは、いまだに不思議に思う。
化石も複数の棚に結構な数があった。自分が小学生なら、鉱物よりも化石の方に興味があったかも。実際、小学生のころには神戸市内の実家近くの山で植物の化石を採集していた。
蝶が羽ばたいているような結晶。これは面白い。
巣穴のような。何じゃコレ?、的なものもあった。
↑これも「なんじゃコレ?」。これも黄鉄鉱??
地元京都府の石を集めたガラスケースもあった。
展示物の説明が手書きでびっしりと書かれていて、非常に詳しい。すべて読むにはかなりの時間が必要になりそう。
全ての標本を丹念に見たわけではなく適度に流し見していたが、それでも結局このフロアに1時間ぐらい滞在していた。もっと丁寧にみていくと2時間ぐらいはかかるのではないか。かなり密度の濃い展示室だった。展示内容は随時入れ替わっているとの事なので、しばらく時間がたったらまた訪問したいと思った。
1階は売店になっており、標本や書籍、道具などを買うことが出来る。展示室にあった「火打石」体験セットもあった。
以下は、その他の展示物の画像ギャラリー。
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