近鉄特急「ひのとり」で重要文化財の蒸気機関合体マシンを見に行った

神戸から名古屋まで私鉄だけで行った。

先日、名古屋市科学館にプラネタリウムを見に行った。

この場合、自宅最寄りの西明石駅から名古屋まで新幹線を使うのが普通の行き方だが、新幹線はどうも出張のイメージが強くてあまり気が進まない。コロナ禍前には月1回ぐらいの頻度で新幹線の東京出張が有った(現在はほとんどオンラインで済むようになったが)。そのため新幹線に乗るとどうも仕事モードに切り替わってしまう。そこで今回は私鉄を使ってのんびり名古屋まで行くことにした。

「私鉄のみ」にこだわるなら明石市内から山陽電車に乗るべきだが、そうなると自宅から藤江か西新町か山陽明石まで徒歩で行く必要がある。いずれもなんとか歩いて行ける距離ではあるが、旅行の最初の段階でそれだけの距離を歩くのはちょっと辛い。そのあたりのこだわりは鉄道系YouTuberに任せ、自分は三ノ宮までJR新快速でサッと移動した。

そして阪神電車の神戸三宮駅から近鉄奈良行き快速急行に乗車した。

阪神電車 神戸三宮駅 近鉄奈良行き快速急行
阪神電車 神戸三宮駅 近鉄奈良行き快速急行

阪神三宮へ近鉄が乗り入れるのは2009年に阪神なんば線が開通したときからなので、もう14年になるが、いまだに神戸に近鉄電車が居ることに違和感を覚える。

この快速急行に乗り続けると奈良まで行ってしまうので、難波で下車。ここから名古屋行の近鉄特急に乗るので、ますは難波駅改札内にある「箱夢」で昼食用弁当を調達した。このショップは手作りおむすびが有名だそうだが、今回は弁当のみ購入。また同じ改札内には奈良名物「柿の葉寿司」のショップもあった。柿の葉寿司も大好きなのでそちらにしておけばよかったと後で思った。

近鉄難波駅改札内「箱夢」
近鉄難波駅改札内「箱夢」

ここから名古屋まで乗車するのは近鉄特急「ひのとり」。ひのとりにはこれまで乗ったことが無く、一度乗ってみたいと常々思っていた。今回初めて乗車するので奮発して「プレミアムシート」を予約していた。予約はWEBサイトにてクレジットカード決済で行え、決済後のチケット画面をスマホか印刷でもっていけば良い。

近鉄 大阪難波駅 ひのとり 80000系
近鉄 大阪難波駅 ひのとり 80000系

難波駅に入線してきた「ひのとり」。車両は80000系8両編成。深紅の車体色には高級感を感じられた。昔ながらの近鉄特急のオレンジ色系の特急車両とは印象がガラッと異なる。

近鉄特急ひのとり先頭車
近鉄特急ひのとり先頭車

両端の車両(1・8号車)がプレミアムシートの車両で、ハイデッカーとなっている。そのため窓の位置が高い。今回乗車したのは1号車(名古屋寄り先頭車)。ドアの中に荷物ロッカーが見える。キャリーケースを持っていたのでここに保管した。

近鉄特急ひのとりプレミアムシート車内
近鉄特急ひのとりプレミアムシート車内

今回先頭車のプレミアムシートを予約したが、前方眺望が良い最前列席は確保できなかった。ハイデッカー車のため、後列席から前方の眺めはかえって良くない。床位置が高いために前面窓上部からはほとんど空しか見えない。素直に横の窓からの眺めを楽しむ方が良い。

プレミアムシートはさすがに快適。

ひのとりプレミアムシート
ひのとりプレミアムシート

前後の座席間隔が広くバックシェル付なので気兼ねなくシートを倒して足を伸ばせる。

ひのとりプレミアムシート操作パネル
ひのとりプレミアムシート操作パネル

シート操作は全て電動。寒い日で体が冷えていたので、シートヒーターが有難かった。

カーテン開閉スイッチ

カーテン開閉まで電動とは、どこまで人間をダメにするシートなのか。

「ひのとり」コーヒー販売スペース
「ひのとり」コーヒー販売スペース

車内販売は無く、コーヒーとクリーム玄米ブラン・SOYJOYの自販機のみ。どうしてもお腹がすいて仕方ないときの緊急用程度でしかない。したがって食料は乗車前に調達しておく必要がある。自販機は現金が必要なので注意。

名古屋につく前に昼食時になったので、箱夢で買った弁当を食べることにした。

しまかぜ弁当
しまかぜ弁当

ここで同行のA-2さんは「しまかぜ弁当」をチョイスしていた。ひのとりに乗ってしまかぜ弁当食べるかー。ちゃんと「ひのとり弁当」というのもあるのに。と思ったけど、ひのとり弁当はピリ辛らしいので、辛いのダメな人は仕方ない。

しまかぜ弁当中身
しまかぜ弁当中身

しまかぜ弁当は色とりどりで華やか。こちらで正解かも。しまかぜも乗ったことが無いので、またいつか乗ってみたい。志摩スペイン村(パルケエスパーニャ)もまだ行ったことが無いし(スペインならウン十年前に新婚旅行で行ったが)。志摩スペイン村は今ちょっと混んできているらしいので、ほとぼりが収まってからにしよう。

快適な「ひのとり」の乗車を楽しんでいると2時間はあっという間に過ぎ、名古屋に到着した。

近鉄名古屋駅 特急ひのとり到着
近鉄名古屋駅 特急ひのとり到着

実際に見たり乗ったりして気に入った車両は、そのあとNゲージ模型で購入したくなる。昨年でいうと九州北部を巡った時に乗った「883系ソニック」、「800系九州新幹線」。北関東を巡った時に乗った「SLパレオエクスプレス」、「SLもおか」。貨物なので乗れないが秩父鉄道の「デキヲキ」が長瀞駅のホームに停車中のところを間近で見ることが出来て、これも気に入った。しかしどれも編成セットで買うとそれなりに高価なので思いとどまった。在庫切れのものは中古がプレミア価格になっていたりする。ただ今回の「ひのとり8両編成(TOMIX)」はまだAmazonに新品があるし、中古でも弾数が多く安価に買えるので迷うところ。

さて近鉄名古屋駅から外に出ると、そこから地下鉄東山線に乗り換えて1駅の伏見駅で下車すれば名古屋市科学館にすぐ行ける。天文ファンとしては名古屋に着いたらすぐにプラネタリウムに向かうのが正しい姿勢だが、今回それをせず、かわりに向かったのは・・・。

あおなみ線(名古屋臨海高速鉄道)

あおなみ線。

そして終着駅の「金城ふ頭」で下車。


リニア・鉄道館で蒸気動車を丹念に見た。

目的地はレゴランド・・・ではなく、「リニア・鉄道館」・

リニア・鉄道館 外観
リニア・鉄道館 外観
リニア・鉄道館 1F車両展示
リニア・鉄道館 1F車両展示

ここは5年ぶりの訪問となる。リニア・鉄道館は名前の通りリニアモーターカーと新幹線の高速鉄道を前面に押し出して展示しているイメージがある。しかしここで私が個人的に一番推しているのは・・・。

蒸気動車ホジ6014・前面
蒸気動車ホジ6014・前面(前面には扉がある)

蒸気動車「ホジ6014」。

蒸気動車とは、客車の片側端に蒸気機関車と同じ動力機関を据え付けて、1両のみで旅客輸送が出来る車両のこと。現在ではディーゼルエンジンを搭載したいわゆる「気動車」が非電化路線で単機運転していたりするが、昔は蒸気動車が普通に走ってたそうだ。しかし今ではもうこの「ホジ6014」が現存する唯一の車両となってしまったそうで、2019年に「重要文化財」に指定された。

蒸気動車ホジ6014・側面
蒸気動車ホジ6014・側面

横からはごく普通の旧型客車のように見える。

蒸気動車ホジ6014・機関室外観
蒸気動車ホジ6014・機関室外観

しかし、車両前部にはいかつい蒸気機関が鎮座しているのが見える。

蒸気動車ホジ6014・機関室内部
蒸気動車ホジ6014・機関室内部

機関室内の蒸気機関はSLのボイラー回りそのままな感じ。あまりに近すぎて危険な感じもする。

蒸気動車ホジ6014・煙突
蒸気動車ホジ6014・煙突

当然ながら煙突もある。現代のディーゼル気動車と違って、モクモクと煙を吐いて走っていたのだろう。

蒸気動車ホジ6014・客室内から機関室を見る
蒸気動車ホジ6014・客室内から機関室を見る

客室のレトロ感と、そこから見える機関室の蒸気メカの組み合わせがたまらない。松本零士とか宮崎駿的な世界観かも。

そして、ここからが重要なのだが、この蒸気機関部は分離できる

(画像が無いので、現地配布のパンフから引用します)

蒸気動車ホジ6014・機関走行部の分離(引用元:JR東海/リニア・鉄道館 ホジ6014号説明パンフレット/2019年9月版)

なんと、ホジ6014号は蒸気機関合体マシンだった!

目的はメンテナンスのためとの事だが、結果的に合体マシンとなった。しかも蒸気機関というスチームパンク感。

なぜこれを変身ロボット化してシンカリオンに登場させないのか!?

戦闘マシンとしては、戦闘時に居住部を分離できる「U.S.S.エンタープライズNCC-1701-D」に通じるものがあると思う。

話が脱線したが、機関走行部は蒸気機関車そのものなので、もちろん車体外部には弁装置や加減リンクなどがある。

蒸気動車ホジ6014・弁装置周り
蒸気動車ホジ6014・弁装置周り

弁装置は何式なのかちょっと分からず(スチーブンソン式?)。逆転機は機関室内にテコ式らしきものがあった。

蒸気動車ホジ6014・逆転機
蒸気動車ホジ6014・逆転機

またこの車両は折り返し運転時に転車台が不要となるよう、後部にも運転台が設けられており、後部運転台を使う際にはワイヤーロープを介して前部運転台の機器を制御したそうだ(下の画像は説明パンフからの引用)。

蒸気動車ホジ6014・後部運転台からの操作(引用元:JR東海/リニア・鉄道館 ホジ6014号説明パンフレット/2019年9月版)

後部運転台を使って運転する際には、前部運転台(機関室)の機関助士とやりとりする必要があるので、伝声管が装備されている。

前部運転台の後ろ壁に装備された伝声管
前部運転台の後ろ壁に装備された伝声管

伝声管を使って機関制御するとか、まるで昔の船やファンタジーの飛空艇のよう。ただし実際はとても面倒だったと思う。

蒸気動車ホジ6014・解説パネル
蒸気動車ホジ6014・解説パネル
蒸気動車ホジ6014・解説パネル
蒸気動車ホジ6014・解説パネル
蒸気動車ホジ6014
蒸気動車ホジ6014

さて、他の展示車両も魅力的なものが多く、自分の世代的にはキハ82系や381系振り子式特急電車あたりが見てうれしいところだったが、長くなるので省略。

もう一つ見逃せないのが、日本最大級の鉄道模型ジオラマ

リニア・鉄道館 鉄道模型ジオラマ
リニア・鉄道館 鉄道模型ジオラマ

全自動運転と演出が素晴らしい。スケールとしては、日本では狭めの住宅事情から多くの人が家庭で走らせている軌間9mm(Nゲージ)ではなく、軌間16.5mmと大きめのもの。だが全体の面積が広いのでそれが小さく見える。新幹線16両フル編成が停車できる駅もある。

その他、展示を色々見ているとこの日は終わってしまい、プラネタリウムはまた翌日に持ち越しとなった。

この日は夕食に「世界の山ちゃん」で手羽先を食べて終了。

世界の山ちゃん 幻の手羽先

コショウが効いていて旨い。ドリンクが進む。

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