【機材】ケンコー SE102 による直焦点撮影の試行

今年は新月時期の週末に何度も遠征したが、なかなか晴天に恵まれない状況が続いている。一方、平日の夜は晴れることが多いためにストレスも溜まり気味であった。そこで、遠征に行けない平日でも明るめの星雲星団なら光害地の自宅で撮影できないものかと考え、直焦点撮影の為の機材をWEBショップの中古品や特価品を見つけて徐々に買い集めている。
先日、ケンコーのSE102が特価で出ていたので、ガイド鏡(&チョイ見用)に使えると思って購入した(本来なら先に撮影鏡筒とガイドシステムを決めてからそれに合わせるべきなのだろうが、今のところそれらについては何にするか決めかねている)。

ケンコーSE102鏡筒をSE2赤道儀に搭載
ケンコーSE102鏡筒をSE2赤道儀に搭載

とりあえず、SE2赤道儀に載せてみた。ガイド鏡のつもりなので、ビクセンのマルチプレートDXにKYOEIオリジナル低重心ガイドマウントを付け、趣味人の低重心アリミゾを介して取り付けている。

折角なので、試しにSE102にカメラを付けて直焦点で撮影してみた。カメラの取り付けには、以前から所有していたビクセンのフリップミラーとTリング(EOS用)を使用した。また、フリップミラーの2インチバレルはφ49のネジが切ってあるので、マルミのステップダウンリング(φ49-φ48)を介してφ48のLPS-P2フィルタを取り付けている。ただし、フリップミラーにステップダウンリングとLPS-P2を先に取り付けると、SE102の2インチホルダーにギリギリ入らない(ステップダウンリングが僅かにはみ出している)。なので、鏡筒から一旦2インチホルダーを取り外し、フリップミラーを差し込んだ後でステップダウンリングとLPS-P2を取り付け、それから全体を鏡筒に取り付けている。とてもややこしいが、一応はこれで撮影できる。フリップミラーにはSE102付属のPL25mmも付け、赤道儀のアライメントや撮影対象確認に活用した。極軸合わせについては、三脚を以前の撮影時に床に付けた印に合わせただけだある。まずM42を導入し、ライブビューの10倍拡大でトラペジウムにピントを合わせ、撮影を開始した。

SE102鏡筒によるM42(JPEG出力・無調整)
SE102鏡筒によるM42(JPEG出力・無調整)

ガイドの精度だが、やはり極軸をちゃんと合わせていないためか、120秒では星の流れがはっきり分かる。60秒では等倍で星がやや楕円に見えるが、細かいことを言わず、縮小を前提にすれば何とか使える。とりあえずISO感度と露出を色々変えて撮影したが、今回はISO1600で60秒程度が妥当なようだ(春~夏の空の状態が悪いときなら、もっと短時間でカブるのだろう)。撮影結果だが、やはりアクロマートレンズのため輝星に色収差が盛大に出る。しかし「にじみ効果」として割り切れば、これはこれで良いのかもしれない。


撮影した画像をステライメージで複数枚コンポジットし、画像処理をしてみたが(↓)、淡い部分は光害に埋もれて出しにくかった。もっとコンポジット枚数を増やすか、光害カット効果の大きいフィルターを付けて露出を長くする必要がある。

M42(光害地・SE102直焦点)
M42 オリオン座大星雲(オリオン座の散光星雲・光度4等・視直径66’)
  • 【環境】2008/12/1 22:00 – /兵庫県加古川市/気温不明/光害レベル:SQM-L測定値=17.8
  • 【光学系】ケンコー SE102 (D=102mm f=500mm)直焦点/LPS-P2フィルタ使用
  • 【カメラ】EOS Kiss X2(無改造)
  • 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀・ノータッチガイド
  • 【ソフトウェア】<オートガイド>なし<撮影>なし <処理>(下記の通り)
  • 【撮影法】
    • ISO800 6sec. x5, 15sec. x4 , 30sec. x5
    • ISO1600 30sec. x5, 60sec x5
  • 【処理法】:ステライメージによる処理、トリミングあり

今回の試行により、きちんと極軸を調整してガイドすれば、ある程度見られる写真が撮れそうなことが分かったので、今後、撮影鏡とガイドシステムを検討していこうと思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました