前回の試行では、IR/UVカットフィルターの取り付けが出来なかったのと、試写では雲が多く月明もあったので条件が悪かった。そこで今週晴れた機会に、もう一度試行してみた。
IR/UVカットフィルターは前回1.25インチの枠付きのものをカメラマウントアダプター(マイクロフォーサーズ)に入れるとレンズ後玉と干渉したため、今回はSVBONYの枠無しのものを購入し、少し乱暴ではあるがカメラ前面に両面テープで貼り付けた。
ただしこれによって光路長がやや伸びて、そのままではピントが合わなくなってしまった。そこで、カメラとカメラマウントアダプターの間に薄い樹脂のシムリングを2枚ほど挟んで調整した(これは、ASI294MC Proに付属してきて余っていたもの)。
その状態で前回同様に三脚に固定し、天頂に向けてSharpCap4.0.8185を用いて、まずは静止画のライブスタックを行った。ゲインは100で、露出は4秒。
肉眼ではこと座の形もわからない空だが、1分程度ライブスタックすると天の川がうっすらと浮かび上がってきた。超広角なので、三脚固定撮影でも結構長い時間ライブスタックできる。とりあえず3分で区切ったものを画像処理した。
- SQM-L測定値=18.3(天頂)、気温28℃
- ASI482MC, Meike 6.5mm F2.0開放
- ゲイン100, 露出時間4.0sec × 45 = 180sec.
強調処理すると地上に近い部分のカブリがひどくなってしまうが、これはやむを得ない。またダーク減算を省いたため、輝点ノイズが青や赤の線になって目立っている。さらに何箇所かゴミの影がうっすらと出ている。本格的にライブスタックするならはダークはもちろん、フラットも必要と思うが、魚眼レンズのフラット画像はまともに撮れるのだろうか。とりあえずセンサーカバーやフィルターのゴミは極力取り除いておきたい。
次は動画。今回の試みは動画が主体なので、こちらの結果が重要。
フルHDで見ると「や座」や「いるか座」の頭、「こと座」の四辺形が見えているので、おそらく3.5等ぐらいまでは写っている。肉眼ではこと座の四辺形が確認できなかったので、肉眼よりは暗い星まで見えていることになる。開放F2.0というのは、流星用としてはそれほど明るいレンズではないので、15FPSでこの程度まで写れば及第点だと思う。航空機の通過もなめらかに写っている。
こうなると、もう少し明るいレンズを試してみたくなる。例えばフォクトレンダーNOKTON 10.5mm F0.95ならどの程度写るのか、また、無光害地ではどの程度写るのか気になる。
それから、やはりノイズが目立つため、Neat Videoはぜひ取り入れたいと思っている。
2021/10/6追記:Neat Videoを取り入れた結果
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