- 【環境】2020/8/16 0:00 – 2:20 / 兵庫県明石市/気温28℃/光害レベル:SQM-L測定値=18.9
- 【光学系】FLT98CF + フラットナーレデューサー4(約490mm F5)/ Quad BPフィルター + ZWO IR/UVカットフィルター
- 【カメラ】ASI294MC Pro
- 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/D=50mm F4ガイド鏡/Lodestar Autoguider
- 【ソフトウェア】<撮影>APT3.84/ <ガイド>PHD2/ <処理>(下記の通り)
- 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン300・オフセット30・180sec x 30コマ/PHD2によるオートガイド・ディザリングあり
- 【処理法】
- ステライメージ8によるダーク減算、フラット補正、デベイヤー
- FlatAide Proによるシェーディング補正
- DeepSkyStackerによる加算平均
- Photoshop CC、ステライメージ8による調整
- 2×2ソフトビニング, トリミング有り
2020/8/15の夜に自宅で撮影していた、こぎつね座の散開星団NGC6823+散光星雲Sh2-86の画像を処理した。
「こぎつね座の星雲」といえば、誰でもまず有名な「あれい星雲(M27)」を思い浮かべると思うが、今回の写野はそのM27の約4°西に位置している。美しい二重星である「アルビレオ(はくちょう座のくちばしの星)」からも近い。
200mmレンズ+APS-Cカメラなら、あれい星雲と同一写野に収まるが、それではあれい星雲が小さすぎると思う。
散開星団+散光星雲という組み合わせはよくあるが、今回の画像は見た印象が「ばら星雲(いっかくじゅう座)」に近い。散光星雲の中心が少し暗くて、そこに散開星団があり、また細かなグロビュールも点在しているのもバラ星雲の構成に近い。
また「M16(へび座)の創造の柱」に似た柱状の暗黒星雲もあり、なかなか面白い領域となっている。
北アメリカ星雲などの有名な散光星雲に比べると淡くて写りにくいが、それが真夏の光害地でそれなりに撮影できてしまうのは、Quad BPフィルターの効果と冷却CMOSカメラの低価格化(+各種画像処理ソフトの進化)のおかげ。
ところで、今回の散開星団NGC6823をとりまく星雲全体は、ステラナビゲータ11ではNGC6820(視直径40’)となっているが、Wikipedia(および、そこからのリンク)を見たところ、これは正しくないようだ。NGC6820は、今回の画像で散開星団NGC6823の右下にあるとても小さな反射星雲で、視直径は1’以下。散開星団を取り巻く星雲全体としては「Sh2-86」というシャープレス番号がついている。
撮影時点ではこの事は知らず、散光星雲全体がNGC6820だと思っていたが、画像処理のときにぼやけた恒星状星雲があるのに気がついて気になっていた。
下の画像はピクセル等倍切り出し。
扇型に広がった彗星状の形状は、「ハッブルの変光星雲(NGC2261)」に似ていると思う。
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