2020/10/6 火星最接近

昨夜(2020/10/6)の23:18に火星と地球が最接近となった。視直径は22.6″、光度は-2.6等。一昨年2018年7月31日の大接近時は視直径24.3″, 光度-2.8等だったので、それには及ばないが、それにかなり近い「準大接近」と呼ぶべき大きさとなった。

幸い天気は快晴だったが、風が強めでシーイングも悪く、風が吹くたび鏡筒がブレる。シーイングの悪さとブレで撮影した動画の質もあまり良くない。さらに透明度も今ひとつ良くない。

そのような悪条件だったが、とりあえず処理すると、それなりに模様が見えてきた。太陽湖の目のような模様が浮かび上がり、火星の自転につれて徐々にこちらを向いてくるような様子が伺えた(ちょっと不気味)。

火星 2020/10/6 21:38 (JST)
火星 2020/10/6 21:38 (JST)
火星 2020/10/6 22:38 (JST)
火星 2020/10/6 22:38 (JST)
火星 2020/10/6 23:20 (JST)
火星 2020/10/6 23:20 (JST) *ほぼ最接近時
火星 2020/10/6 23:53 (JST)
火星 2020/10/6 23:53 (JST)

中央時刻23:20の撮影分がちょうど最接近時となった。このとき太陽湖は真正面で、こちら(地球)を見据えているように見える。

処理しながらずっと見ていると、太陽湖の右側の模様が手指のように見えてきて、「目の横でピースサイン」にしか見えなくなってしまった。

眼視では、7mmアイピース(約300倍)で太陽湖は確認できた。しかし普段惑星の眼視観察をしておらず不慣れなので、あまり細かなところまではわからない(シーイングも悪かったので)。むしろ、パソコン上のFireCaptureのモニター画像のほうがよく分かった。

火星の撮影風景をPentax KPと18mmレンズで撮影してみた。

火星最接近の撮影風景
火星最接近の撮影風景

一番明るい星が火星で、右上にペガススの四辺形がある。その間の「うお座」の星の配列が、こんな光害地の月明下でもはっきり写ったのが意外。


この後、10月いっぱいまでは視直径20″以上、光度-2.0等以上を保持しているので、まだ3週間程度は見頃が続きそう。

コメント

  1. 石黒裕一 より:

    いつも楽しく拝見させて頂いております。初めて、コメントさせて頂きます。急なお願いで恐縮致します。当方も最近、惑星の撮影を始めました。そこで、ピント合わせがかなり難しく、何かコツやご使用の機材など、ご教授下さいますと幸甚です。当方の使用機材は、タカハμ180C、テレビュー2.5倍、zwo asi 462です。以上、宜しくお願い致します。

    • A-1 より:

      石黒裕一さん、こんにちは。コメントありがとうございます。

      ピント合わせについては、私の方もこれといった決定的な方法はなく、惑星の表面模様を見ながらピントノブを往復させ、シーイングが一瞬良くなったときの模様の細かさを見て判断しています(ミラーシフトがあるので、もう片手に赤道儀のコントローラーを持ち、微動で惑星の位置を補正しながらやっています)。

      木星だけは側に衛星がいればそれも参考にしますが、シーイングが悪いと衛星でも恒星でもユラユラ揺れていて判断が難しいですね。

      FireCaptureにもピント合わせ補助のツールはあるようですが、私はどうもこれが使いこなせず、結局普通のモニター画面でガンマ値だけ調整して模様が見やすいようにするだけです。

      バーティノフマスクも拡大撮影では使ったことがないです(まだミューロン用のマスクを持っていません)。

      このような状態なので、いつもピントに確信が持てず、「ピント合わせ->撮影」を何度か繰り返し、あとは処理してみて一番良いのを選んでいます。
      でも実はどれもあまり変わらないように思うのですが、ピントの少しのズレが分かるほどの好シーイングに出会っていないからかもしれません。

      機材は私と同様のものをお使いのようで、これからもよろしくお願い申し上げます。また何か良い情報がありましたらお教え下さいますと幸いです。

  2. 石黒裕一 より:

    早々に連絡を下さいましてありがとうございます。やはり決定的なピント合わせがないようですね。スターベースの店長さんに確認したのですが、トライ&チェックでした。まだ試していませんが、Astrostreetのマルチフリップミラーの活用を考えています。結果がでましたらお知らせいたしますので引続き宜しくお願いいたします。

    • A-1 より:

      石黒裕一さん。
      Astrostreetのフリップミラーは、回転ヘリコイドが付いていて、ミラーも微調整が可能など良さそうなところがありますね。鏡筒側の差し込みが31.7mmのようですが、ADCの後ろに付ける場合は31.7mmスリーブを取り外してTネジにすると、ADCの後ろのTネジに直接付きそうに見えます。実際どうなんでしょうか。
      もしお使いになられるようでしたら、またぜひご感想を教えいただけますと幸いです。今後とも宜しくお願い申し上げます。

  3. 石黒裕一 より:

    Astrostreetのフリップミラーを使って見ました。構成は、撮像側が50.8mmAD42mmT→フリップミラー→テレビューPM2.5倍→ADC→462MCです。観察側は、Astrostreetのヘリコイドを取付け、31.7mmズームEPを付けてます。ヘリコイドに目盛があるため、ピントの再現性はあると思います。ピントとは別にミラー切替の精度が低く、撮像と観察の中心があってません。これは昼間調整した方が良いのですが、モーターの調子悪く赤道儀の修理に出してしまいました。この後の検証は時間がかかりそうです。
    ※構成の写真があるのですが、ここでは掲載出来ないようです。

    • A-1 より:

      石黒裕一さん
      ご連絡ありがとうございました。
      コメント欄で画像添付ができる仕様になっておらず、申し訳ございません。

      私が使っているビクセンのフリップミラーでも、中心があっておらずちょっと使い勝手が悪いです。
      そのズレ量はフリップミラーを鏡筒に取り付けるたび微妙に変化するので、ミラーの角度だけではなく、たわみや各スリーブを締めるネジの締め具合なども関係しているのだと思います。ビクセンのミラーはAsrostreetのように調整ができないので、自分で紙を貼るなど工夫する必要があるのですが、面倒なのでそのままにしています。

      赤道儀の不調は残念ですね。

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