シリウスB、”冬のアルビレオ”、その他二重星

昨夜はほぼ快晴だったが、上弦過ぎの月が明るく輝いているうえに、身体の方も疲れ気味だったので本格的な撮影はやめにして、久しぶりにミューロン180Cを出していくつか二重星を動画撮影した(ただし冬型でシーイングは悪く、二重星撮影にはあまり向いていなかったかもしれない)。

共通の機材と処理は下記の通り。

  • 撮影日時:2022/2/10 20:00~22:00頃/明石市
  • ミューロン180C(直焦点), UV/IR Cut Filter
  • ASI183MC Pro, 非冷却で使用
  • 撮像:FireCapture 2.7β
  • 処理:AutoStakkert!3(スタック), StellaImage9・PhotoshopCC(調整)
  • フラット・ダーク処理なし、ピクセル等倍

ガイドブックは、これも久しぶりに引っ張り出してきた「都会で星を楽しもう(DSO観望ガイドブック Vol.3)」。二重星だけでなく、街中での様々な天体観測に頼りになる一冊。

まずは「シリウスB」。

おおいぬ座 α シリウス
おおいぬ座 α シリウス -1.4等/8.5等, 角距離=11.3″, 位置角=64.1°
  • ゲイン=200, シャッター速度=34ms, 3873フレームの30%をスタック
  • 画像の上が北

光度差が非常に大きく難物だが、ここ数年が最も角距離が大きい時期らしく、見頃だそうだ。ただ現在の位置角が60度強なので、60度間隔で6本ある斜鏡保持スパイダーの光条にかぶってしまった。しかしとりあえず処理したらなんとか判別できるようになった。


次に同じおおいぬ座の145番星(HJ3945)

おおいぬ座 145番星
おおいぬ座 145番星 4.8等/5.8等, 角距離=26.8″, 位置角=50.0°
  • ゲイン=300, シャッター速度=100ms, 1799フレームの30%をスタック
  • 画像の上が北

主星が黄色、伴星が青色の組み合わせが非常に美しい。光度差もあまりなく、角距離も大きいので楽に見える。上記ガイドブックによると「冬のアルビレオ」とのこと。「アルビレオ」ははくちょう座のβ星(くちばしの先の星)で、美しい二重星の代名詞となっている。そのため、同じように色の組み合わせが美しい似たような二重星を「XXのアルビレオ」と呼ぶようだ。「小京都」や「XX富士」、「XX銀座」のようなものか。

なお「春のアルビレオ」はかに座のι星、「秋のアルビレオ」はアンドロメダ座γ星(アルマク)というのが一般的なようだ。それらに比べるとこの「冬のアルビレオ」はあまり知名度が無いように思うが、美しさは他の”アルビレオ”に劣らない。


次は同じおおいぬ座のμ星。

おおいぬ座 μ星
おおいぬ座 μ星 5.0等/7.1等, 角距離=2.9″, 位置角=343°
  • ゲイン=300, シャッター速度=34ms, 5148フレームの30%をスタック
  • 画像の上が北

これも上の145番星同様に黄色と青色の対比が美しいが、角距離が2.9秒角と非常に小さく分離しにくい。動画の状態ではよく分からず、スタック処理してやっと分離できた。


次も同じおおいぬ座のν1星。

おおいぬ座 ν1星
おおいぬ座 ν1星 5.7等/7.4等, 角距離=17.3″, 位置角=264°
  • ゲイン=300, シャッター速度=100ms, 1799フレームの30%をスタック
  • 画像の上が北

主星が白っぽく、伴星が青のちょっと地味な感じの二重星。角距離が大きいので処理前の動画のままでも良く分離できていた。


次はおおいぬ座を離れて、オリオン座のρ星。

オリオン座 ρ星
オリオン座 ρ星 4.5等/8.5等, 角距離=6.4″, 位置角=65.0°
  • ゲイン=300, シャッター速度=100ms, 1799フレームの30%をスタック
  • 画像の上が北

角距離が近い割に光度差が大きく、伴星が目立たないので処理しにくい。


もっと色々導入していきたかったが、非常に寒く、体力もなくなってきたのでここで終了。

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