カノープスと明石海峡大橋

りゅうこつ座のα星「カノープス」はマイナス0.6等と明るいが、日本では南中高度がわずか数度と低いために観測するのは非常に難しい。以前住んでいた加古川のマンションでは自室のベランダから気軽に見えたのだが、現在住んでいる明石の住宅密集地では全く見えない。そこで一昨日(2022/2/11)の夜に大蔵海岸へ出かけた。ここからなら、カノープスはおそらく明石海峡大橋の淡路島側主塔付近から淡路島の山の上を通過するはず。

現地は幸運なことにほぼ快晴で風も弱かった。ただし月齢10の上弦過ぎの明るい月が天高く煌々と輝いていたのが残念なところ。

カメラはPentax KPを用い、レンズはSIGMA 18-35mm F1.8 DC HSMにスターリーナイトフィルタープロソフトンクリアを重ねて用いた。

まず最初に最広角18mmでシリウスとともに構図に入れて連続撮影した。下はそのうちの一コマ。

カノープスとシリウス、明石海峡大橋
カノープスとシリウス、明石海峡大橋 (2022/2/11 20:48・明石市大蔵海岸)
  • Pentax KP, SIGMA 18-35mm F.18 DC HSM -> 18mm F2.8
  • スターリーナイトフィルター&プロソフトンクリア 
  • ISO1600, 15sec.
  • Lightroom, Photoshop, ステライメージで調整。若干トリミング有り。

カノープスは淡路側(右側)主塔の左、メインケーブルのイルミネーションの下側に入り込んでいる。この日は空気が澄んでいたためか、肉眼でもはっきり確認できた。このときのイルミネーションのパターンは休日用の「グリーン・ブルー」だそうだ。冬の澄んだ空に寒色系のイルミネーションがよく似合う。


その後カノープスは右(西)に移動し、20時58分に南中した。その直後の21時00分、イルミネーションが毎正時の「虹」になった時、カノープスが淡路側主塔の構造の隙間に入るという面白い状態となった。下の画像はf=35mmで撮影(シリウスは写野外に出ている)。

カノープスと明石海峡大橋
カノープスと明石海峡大橋(2022/2/11 21:00・明石市大蔵海岸)
  • Pentax KP, SIGMA 18-35mm F.18 DC HSM -> 35mm F2.8
  • スターリーナイトフィルター&プロソフトンクリア 
  • ISO1600, 15sec.
  • Lightroom, Photoshop, ステライメージで調整。若干トリミング有り。

全体の画像では分かりにくいので、淡路側主塔部分を拡大(↓)。

明石海峡大橋淡路側主塔の隙間から見えるカノープス
明石海峡大橋淡路側主塔の隙間から見えるカノープス

カノープスが主塔の構造体とハンガーケーブルの間から見える。この状況も肉眼ではっきり確認できた。双眼鏡で見ると、カノープスがじわじわと動いていく様子が分かり、地球の自転を実感できてなかなかおもしろかった。


それからカノープスは明石海峡大橋の背後を西へ進み、橋を抜けてからは淡路島の山の上をかすめるように進んだ。下の画像はf=23mmで縦構図にして、おおいぬ座を入れて撮影した。

カノープスとおおいぬ座、明石海峡大橋
カノープスとおおいぬ座、明石海峡大橋(2022/2/11 21:38・明石市大蔵海岸)
  • Pentax KP, SIGMA 18-35mm F.18 DC HSM -> 23mm F2.8
  • スターリーナイトフィルター&プロソフトンクリア 
  • ISO1600, 15sec.
  • Lightroom, Photoshop, ステライメージで調整。若干トリミング有り。

神戸~明石は光害地ではあるが、明石海峡に面した辺りは南側が淡路島なので光が少なく、空気が澄んでいれば南の低空までよく見えるようだ。上の画像も「とも座」の細かな星々がよく写っている。

カノープスが淡路島に沈むまでにはまだ時間がかかりそうだったが、体が冷えてきたので、22時過ぎに撤収した。


今回の画像は連続撮影したものから1コマだけ抜き出して処理したが、後日、比較明合成での軌跡画像化や動画化を行いたい。

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