天体観測の教科書 惑星観測編

  • 2009年6月購入
  • 安達誠(編)、誠文堂新光社、2009、
  • ISBN: 978-4416209141、2,200円+税

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毎年のことだが、春~夏にかけては晴れても空が白っぽいことが多く、光害地では星雲星団の観望や撮影はあまり出来ない。そこで、今年はナグラーズームやWEBカメラ(NexImage)も入手したことだし、木星も見頃になってきたので、月・惑星を見てみよう(撮影してみよう)、と思い立った。

しかし、私は昔から星野写真中心なので、月や惑星はちゃんと観測したことが無く、学生時代の天文研究会活動でも惑星スケッチや写真を撮ったことが無いので、実際どうして良いのかよく分からない・・・。

ということで、ちょうど先月発行されたばかりの「天体観測の教科書 惑星観測編」を購入した。

天体観測関係の書籍は結構絶版になっているものが多いので、このような最新刊はありがたい。最近ではWEBを検索すると最新の情報が多く得られるが、やはり書籍としてまとまっていると分かりやすい。

このシリーズは他に「変光星観測編」、「星食・月食・日食観測編」、「流星観測編」が出ているようだ。今年は世界天文年で、日本国内での皆既日食もある。天文人口が減少しているとはいえ世間の関心も高まってきているし、これをきっかけとした“復活組”も結構多いと思う。天体観測手法は最近の機材の電子化・デジタル化によって大きく変わってきており、一昔前の知識では対応できない。なので、現在の最新の情報を一通りまとめたシリーズは私も含めた復活組には役立つと思う。

さて、惑星観測編の内容だが、望遠鏡の調整、眼視・スケッチ、撮影(撮像)、画像処理・解析など、各惑星について入門的な内容から比較的高度と思われる内容まで網羅した内容となっている(本当に網羅しているのかどうかは、ベテランでないと分からないが・・・)。

特に最近のデジタル動画機器による撮像や画像処理については、機材名や処理ソフト名が具体的に示されており、RegiStaxのように重要なソフトについては、その操作手順がかなり詳細に解説されている。また、ソフトの入手先や各種情報についてのURLも記載されている。天体観測の「教科書」とのことだが、教科書的な一般論だけでなく、このように「実用書」的な内容も充実している。値段も手頃なので買って損のない一冊だった。

ただし、内容が新しく具体的ということは、それだけ陳腐化するのも速いのではないかと思う。これについては、将来適切なタイミングで改訂版が発行されることを期待したい。


というわけで一昨日、雲の切れ間から木星を数十秒だけ撮像できたので、本書に従ってRegiStaxとステライメージで処理してみた。が、何だがボヤッとして模様もあまりはっきりしない。なかなか奥が深くて難しそうだ。

  • 20090620 W.O.FLT98 / UW-6mm 拡大撮影法
  • NexImage 1/15sec x 約300枚合成
  • RegiStax 5 / ステライメージ

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