・1998年1月購入
天文研究会に所属していた学生時代を最後に、しばらく天文活動から遠ざかっていたが、1997年にヘール・ボップ彗星が接近したのをきっかけに、双眼鏡による眼視と、固定撮影による活動を再開した。しかしすぐに固定撮影ではもの足りなくなり、1998年の年明けすぐに当機を購入した。
その後、2001年のしし座流星群大出現頃から活動を休止したため、しばらく押し入れで眠っていたが、2008年夏、今度はデジタル写真で天体撮影活動を復活させようと思い立ち、デジカメ(EOS Kiss X2)を購入した。そのため当機も再び活躍することとなった。
休止期間があるとはいえ、度重なる遠征で外観はかなり傷んでいる。雲台のボルトのカバーが外れて無くなったり、塗装がはげたり、極望キャップなどの付属品も無くなってしまった。しかし、基本機能自体は大丈夫なようだ。
ポータブル赤道儀としては代表的な(しかも古い)機種だが、とりあえず使ってみて思ったことを紹介したい。
【大きさ・重さ】
本体は片手で持てるほど小さくて軽い。まさにポータブル赤道儀である。
しかしドイツ式赤道儀であるため、カメラの重さに応じたバランスウェイトが必要で、望遠レンズを使うとなるとそれなりの重量になる。最近のTOASTやCD-1、TT320Xに比べると、不利な気がする。
また、望遠レンズでの撮影時には正確な極軸合わせが必要となるが、市販のカメラ三脚では合わせにくいので、専用大型微動マウント+専用三脚を使った方が良い。ところが、これがまた大きくて重く組み立てにくい。結局小型赤道儀並の大きさ重さと手間がかかる。それなら、ビクセンGPガイドパックの方を検討する人も多いのではないだろうか。
【極軸合わせ】
極軸望遠鏡は標準で内蔵されており、暗視野照明もついている。パターンは南北対応で、北天では北極星を含む3つの星をパターン内の所定の位置に入れる。パターンは赤経軸から独立して自由に回転出来るので、赤経軸を回す必要はないし、設置の水平も厳密に出す必要はない。その代わり、極軸の高度・方位に加えて、パターンの回転を調整しながら、3つの星が所定の位置に納まるように調整していく必要がある。これは慣れれば簡単だし、使いやすいと思う。
【精度】
肝心の精度だが、フィルム時代には、200mmレンズで10分露出は何とかOKだったように記憶している。
KissX2では、赤緯0度付近・200mmレンズ・ピクセル等倍で流れないようにするために、3分ぐらいを目安としている。これは何故か日によってかなり差が有る。毎回ネジ類はちゃんと締め、極軸も合わせ、カメラのバランスもとっているつもりだが、3分で成功率が半分以下の時もあるし、8割程度成功するときもある(流れる方向はおおむね赤経方向)。ただし、現在はバル自由雲台を使っているので、スカイメモRの精度ではなく、この部分が弱いのかもしれない。
【動作音】
通常駆動時はほとんど無音だ。電源LEDがなければ、動いているのかどうかも分からない。コントローラーで倍速にしたことがないので、それについては分からないが、音に関しては全く問題ない。
【電池の持ち】
電源は単2電池4本だが、かなり長時間持つ。新品のアルカリ電池をいれてから、遠征を3~4回こなしてもまだ無くならない。もちろん曇っているときは駆動を止めているが、おそらく20時間程度は持つのではないだろうか。
実は、これまで電池が無くなって交換したことはない。半年に一度ぐらい、「そろそろ無くなりそうだし、交換しておくか」と思って交換することがほとんどである。いつもカメラバッグの片隅に予備の単2電池4本パックを入れているので、電源に関する心配は全くない。
以上だが、現在遠征時には直焦点撮影を行うための機材を車に載せており、スカイメモ+大型微動マウント一式は再び家で待機するようになった(車のトランクに入り切らなくなったので)。今後は、カメラ三脚に乗せてウェイト使用もやめ、広角レンズ撮影専用機として気軽に使っていくことを検討している。
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