現在主力で使用している鏡筒はWilliam Optics社(W.O.社)のFLT98CFだが、その純正のフラットナー/レデューサーである「Field Flattener4」を購入した。
鏡筒を購入してからこれまでの間、簡易フラットナー/レデューサーとして、ケンコーのACーズアップレンズNo.2をずっと使い続けていた。簡易とは言っても星像は結構良好に改善されるので、なかなか純正品を買う踏ん切りが付かず、1年半以上の間この状態で撮り続けてきた。
しかし、このクローズアップレンズを用いた場合、ピント合わせがなかなか難しかった。
特に、中央部でピントが合っていても、周辺部では大きくボケてしまうような失敗が多かったと思う。
昨年末にバラ星雲等を撮影した時も周辺星像が良くなかったので、やはり純正品を試してみるべきと思い、やっと購入することになった。
さて、そのFlattener4の現物(写真左側)が到着したが、とにかく大きい。タムロンA16(写真右側の大口径標準ズームレンズ)よりも一回り太い。重さもカタログ値で540gなので、A16(440g)より重い。もちろん事前にWEBカタログで確認はしていたが、実際に手に取ってみると、その大きさと重さにびっくり。
Flattener4の特長は、ヘリコイドでレンズとカメラセンサー面との距離を変えられることだ。これでレデューサーとしての倍率が変えられるが、WEBカタログによるとFLT98CFに用いる際の推奨距離は76.8mmなので、とりあえず76mm付近で使ってみることにした。ただ、このヘリコイドの目盛りは非常に大雑把なので再現性に難がある。せめて1mm刻みの目盛りは入れて欲しいと思う。これは自分でシールを貼るなりして工夫する必要がありそうだ。
なお、レンズ枚数は2枚で、鏡筒本体の3枚レンズと合わせて、5枚レンズの光学系となる。
星像については、昨年末に兵庫県多可町で撮影した「クリスマスツリー星団」の1コマで検証してみた(↓)。
カメラはAPS-CのEOS KissX2(改)である。現像はDPPで、検証のためにシャープを強めにしてある。
このときの焦点距離は、画像から判断して510mm程度になっているようだ。元の焦点距離が618mなので、0.83倍ということになる。
これ(↓)は中央と四隅のピクセル等倍画像。
APS-Cの周辺部まで星像は良好である。左下でやや乱れがあるが、最端部のピクセル等倍でこの程度なら問題無さそうだ。ピントについても、中央で合わせると周辺でも概ねキッチリ合うようで、クローズアップレンズのように少しのピントズレで周辺星像が大きくボケる事は無さそうだ(この点はまだ未検証だが)。さすがに重くて大きいだけのことはあると思う。
これからしばらくは、このフラットナーで撮って行く予定(だが、空はそろそろ春の系外銀河、球状星団、そして黄砂の季節になりつつある)。
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