(注)太陽“眼視用”の減光フィルターを装着していない望遠鏡や双眼鏡で太陽を見ることは、失明の危険があるので絶対に控えて下さい。また、NDフィルター等の“撮影用”フィルターでは、眼視には十分な減光となりません。撮影時は光学ファインダーを覗かず、ライブビューを用いて下さい。
来年の金環日食撮影用のメイン機材は、機動性を考えてミニボーグ60EDにしようと思っている。しかしこれは焦点距離が350mmしかなく、APS-Cのカメラで太陽を写すにはやや短めである。
そこで以前の試写の際には2倍のバローレンズを入れてみたが、これはちょっと拡大しすぎのようで、経緯台で追尾しにくかった。また、減光に用いたアストロソーラーフィルムの倍率が10万倍と大きく、高速シャッターが使えないのも気になっていた。
それでどうしようか色々考えていたところだったが、先日WEBで中古のボーグ7214(1.4×テレコンバーターDG)を見つけたので、これを購入。さらに60EDのフード先端にねじ込める62mmのND400フィルターとND16フィルターを購入した。
まずテレコンバーターの方だが、これを使うと60EDが490mm・F8.2となる。経緯台で使うには手頃な焦点距離だ。また減光フィルターだが、ND400とND16を重ねて使うと6400倍になる。これはアストロソーラーフィルムの10万倍に比べて約15.6倍明るく、約4段分早いシャッターが使用できる。
まず、60ED&1.4xテレコンにアストロソーラーフィルム(10万倍)を付けて試写してみた。
太陽高度は約30°、快晴で薄雲も無く、透明度が良い状況である。
- ミニボーグ60ED
- 1.4xテレコンバーターDG
- アストロソーラーフィルム
- Kiss X2, ISO100, 1/500
- 20%に縮小・トリミング無し
トリミング無しでこの大きさなら、経緯台で追尾するのに丁度良いのではないか。また、シャッタースピードはISO100で1/500~1/1000ぐらいが適正のようであった。今回は薄雲が無かったので比較的早いシャッターが使えた。
こちら↑は太陽部分のピクセル等倍切りだし。
黒点の写りもまずまず良好。
さて、次にフィルターをND400とND16の2枚重ねに換えてみた。
アストロソーラーフィルムで1/500なので、これではKissX2の最高速である1/4000でも露出オーバーになるはずである。
結果↑は、やはり露出オーバー。
(ISO100, 1/4000)
透明度の良い快晴では、減光10万倍・F8・ISO100で1/500~1/1000ぐらいが適正のようだ。
前回は減光10万倍・F5.6・ISO100で1/250ぐらいだったので、透明度が良くなかったのかもしれない。
そういうわけで、減光に関しては当日の空の状態に応じてフィルターを使い分けたい。現在の組み合わせに更にND4を追加すると、常に1/500以上を使えるような調整が出来ると思う(NDフィルタ3枚重ねがどの程度画質を劣化させるかは分からないが)。
それから、まだ未解決の問題として、写野内への太陽の導入のしにくさがある。テレコンを付けたことで、経緯台とライブビューの見にくい画面の組み合わせではなかなか導入できなかった。しかし万が一のことを考えて、カメラの光学ファインダーや、望遠鏡に付けるファインダーの使用は控えたい。
これについては、集光力の無い等倍の簡易ファインダーの追加を考えている。
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