NGC6992-5 網状星雲(東)(光害地・月明有り)

20190817-NGC6992-5-Veil-nebula
NGC6992-5 網状星雲(東)(Veil nebula) はくちょう座の散光星雲(超新星残骸)
  • 【環境】2019/8/18 0:48 – 2:17/兵庫県明石市/気温 29℃/光害レベル:SQM-L測定値=17.5 (月齢16.5の月明有り)
  • 【光学系】FLT98CF + フラットナーレデューサー4(約490mm F5)/Quad BPフィルター
  • 【カメラ】ASI294MC Pro
  • 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/D=50mm F4ガイド鏡/Lodestar Autoguider
  • 【ソフトウェア】<撮影>APT3.7/ <ガイド>PHD2/ <処理>(下記の通り)
  • 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン300・180sec x 27コマ/PHD2によるオートガイド・APT連携ディザリング
  • 【処理法】
    • ステライメージ8によるダーク減算、フラット補正、デベイヤー
    • FlatAide Proによる追加フラット補正(シェーディング補正)
    • Photoshop CC、ステライメージ8による調整(星消しにStarNet++、星雲強調にNik Collection併用)
    • 2×2ソフトビニング後、1200×1200で切り出し

最近はどうも週末の天気に恵まれないが、先週土曜日は珍しく晴れた。しかし満月過ぎ(月齢16.5)の明るい月がほぼ一晩中出ている。

いつもなら諦めるところだが、ゴールデンウィーク以来全く撮影できていなかったので、その月明+光害に構わず自宅バルコニーで撮影を強行した。

SQM-Lで月からかなり離れた空を測定したが、値は17.5とかなり悪い。夏らしく水蒸気の多いモヤッとした感じの空で、1等星ぐらいしか見えない。とりあえずワンショットカラー・ナローバンドのセット(Quad BPフィルター + ASI294MC Pro) を用いることにした。

なるべく月から離れていて明るめの散光星雲を狙うことにして、最初はM27(亜鈴状星雲)を撮影した(これは未処理)。その次に北アメリカ・ペリカン星雲を候補にしたが、赤色一色になって面白みに欠けそうだったので、青色が混ざる網状星雲に変更。画角的にちょうど収まる東側に決めた。

撮影は1時前から3時半頃の薄明前まで40コマ以上行ったが、後半は薄雲がかかっていたらしくS/Nが悪い。それらを除去した残りの27コマ(総露出時間=81分)を採用した。できれば2時間以上の総露出時間を稼ぎたかったが残念。

処理の中での「星消し」には最近話題の「StarNet++」を使用した。これ自体はコマンドラインのプログラムで使いにくそうだが、FlatAide Proの最新版で「プロセス」メニューから実行指示できるので、それを利用すると簡単に使用できた。Tensorflowを使っているようで、かなり重い処理。

さて、処理結果は思った以上にまともな画像になった。

「ほぼ満月+強光害+夏の悪透明度」の環境下でこれだけ写ってくれると文句ない。

強調処理はステライメージのマルチバンドシャープとNik collectionのSilver Efex Pro2(ファインアートプロセス)を用いて、星雲の微細構造を意識してあぶり出した。

また、強調処理のためには正確なフラット補正が欠かせないが、フラット画像による最初のフラット補正に加え、追加で実施したFlatAide Proのシェーディング補正がかなり効いていると思う。

ただし色調整は難しく、何が正解なのかよく分からないまま進めていると、青色の星雲が緑色になってしまった。どうもこのセットで撮ると黄色が強くなるため、早い段階でステライメージのLab色彩調整にて黄色成分を下げると良かったかも。

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