フラット画像撮影用ELシート(A4版)

先日から、ELシートを用いたフラット撮影用パネルの充実を図っており、10cm角の小型版(主にBORG71FL・60ED用)、およびA5版(主にFLT98CFや望遠レンズ用)について整備した。

残るはミューロン180c用だが、これにはA4版が必要になる。A4サイズのELシートは、通販で手頃な価格での入手が難しい。その中でも比較的購入しやすい「ワンダーキット・ホワイトA4サイズELシート(型番:WH-A4)」を購入してみた。

これまで購入してきたものは配線とラミネート加工済みだったが、今回のものは自分で加工する必要がある。

配線準備

シートの裏面の電極に被覆を剥いた配線を貼り付ける。本来は圧着加工が必要なようだが、その器具がないため付属のアルミテープで貼り付けるだけになる。

配線はELワイヤー用の端子付き配線延長ケーブルを切断して用いた。

配線の貼り付け

インバータはA4サイズ用のものを楽天で検索して、12Vで動作する安価なものを購入して、シガープラグを付けた(ELシート側のコードにはELワイヤー延長用と合う端子が元々ついていた)。

インバータ接続・通電して点灯確認

通電すると問題なく点灯した。

シート裏面の電極パターンである正方形の格子状の細い線がうっすら見えたが、上の画像ではわからない(その後のフラット撮影でも見えなかったので大丈夫と思う)。

配線は貼り付けただけなので、引っ張るとすぐ外れてしまう。そこで貼り付け部に力が加わらないように配線をテープで止めて、更に感電防止のため一回り大きなB4サイズの透明カードケースに入れた(手貼りラミネート加工しようと思ったが、後々のメンテナンスのことを考え、取り出しやすいカードケースにした)。

配線部保護、感電防止のためカードケースに入れる

色補正フィルムは撮影しながら調整したが、最終的にA2(#206)を2枚と1/2Minus Green(#248)を2枚とした。ミューロンがレデューサー付きでもF10と暗いため、今回はNDはなし。これらのフィルムををA4サイズのカードケースに入れ、カードケースのテカリ防止にトレーシングペーパーを貼り付けた。

色調整フィルムとトレーシングペーパーをセット

ダンボールで作った簡易枠に入れ、ミューロン180Cの筒先に装着し、ミューロン用レデューサーを付けたEOS60Daで撮影。

ミューロン180C+純正レデューサー+EOS60Da
WB太陽光でのカラーバランス

WB太陽光ではまだ若干Gが強めだが、これまでの経験上これで十分と思われる。

撮影したフラット画像をPhotoshopで現像し、コントラスト・彩度強調した。

ミューロン180C+純正レデューサー+EOS 60Daのフラット画像(強調)

画面上下にやや色が異なる部分があるが、これはフラット撮影用パネルを回転させても、カメラと鏡筒の位置関係を回転しても同じように出るため、フラット撮影用パネルの問題ではない。ELシートの格子状の配線パターンは強調しても見えないので、影響なしと言える。

一番レフはミラーボックスの影響があるため、冷却CMOSカメラのASI294MC Proでも撮影した。

ミューロン180C+純正レデューサー+ASI294MC Pro
ミューロン180C+純正レデューサー+ASI294MC Proのフラット画像(強調)

これはステライメージでデベイヤー・オートストレッチ処理してからPhotoshopでコントラストと彩度の強調処理をしたもの。

まだ上下に若干の色むらがある。これも、フラットパネルを回転させてもカメラと鏡筒の角度を変えても上下に出ることに変わりはない(パネルだけを回転させると、画面上下の色むらも含めて状態は変化しない)。このカメラはフォーサーズサイズなのでEOS60Daよりセンサーが一回り小さいが、同じような現象が出るのが謎。

ただし、FLT98CFと過去のELシートで撮影したフラット画像を見てもこの上下の色むらはあり、それで問題なく処理できていたので、あまり気にしないでよいのかもしれない。

いずれにせよ、今回のA4サイズELシートによるフラット撮影用パネルは、特に問題となる色ムラなどは無かった。あとは実写で検証する必要があるが、ミューロン180Cでガイド撮影する機材の準備ができていないため、まだ先になりそうだ。

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