
- 【環境】2021/1/9 23:09 ~ 1/10 0:14 / 兵庫県明石市/気温 -2℃/光害レベル:SQM-L測定値=19.0
- 【光学系】BORG71FL+レデューサー0.72xDGQ(288mm F4.1)/ Quad BPフィルター
- 【カメラ】ASI294MC Pro
- 【架台・ガイド】AZ-GTi(赤道儀モード)/ASIAIR Pro/SVBONY 30mm F4ガイド鏡/ASI120MM Mini
- 【ソフトウェア】<撮影&ガイド>ASIAIRアプリ(Android)/ <処理>(下記の通り
- 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン300・オフセット30・180sec x 16コマ(合計48分)/オートガイド・ディザリングあり
- 【処理法】
- 前処理(リニア):PixInsight: WBPP, ABE, MGC, SPCC, BlurXTerminator, NoiseXTerminator
- 後処理(ノンリニア):ステライメージ10・Photoshop
- 50%縮小・トリミングあり
光害地の自宅で撮影した、カシオペア座の散光星雲IC1805。その形から「ハート星雲」と呼ばれている。2021年の年明けに撮影して未処理のままになっていたのを処理した。
機材は7cm鏡筒にAZ-GTi赤道儀モード、ASIAIRというお手軽な組み合わせ。この組み合わせもこの頃から安定して使っているが、そろそろ新しい機材が欲しいところ。後継候補としては、現在開発中というSeestar S70に期待している。
このときの露光時間はたった48分だが、処理してみるとなかなか良い感じになった。ハート星雲自体が明るめの散光星雲ということもあるが、光害地でナローバンドフィルターを使い、48分でここまで星雲の複雑な構造を出せるのは、画像処理ソフトの進歩によるところが大きい。特にPixInsightで古くからあるABEやDBEだけでなく最近追加されたMGCの効果もあり、光害に埋もれた星雲をあぶりだすことができた。撮影時にはまだPixInsightを使っていなかったので、この時処理していたらここまで出せなかったと思う。
ただ、恒星の周りに見苦しいハロが出ていて、これを消せなかったのが残念。このハロは星消しの段階で星雲画像側に残っていて、消せなかった。
上の画像は中央部を見やすくするためにトリミングしている。トリミング前の画像は下。

逆に中央部をピクセル等倍で切り出したのが下の画像。

ピクセル等倍だと、さすがにアラが目立つ。露光時間が短いのを強調しているので、星雲部分のモヤモヤしたノイズや、恒星の周囲のハロが見苦しい。しかし星雲中央部の暗黒星雲が入り組んだ雰囲気はよくわかる。口径7cmで短時間撮影した割にはよく出ていると思う。
下の画像はハートの形の付け根部分にある星雲をピクセル等倍切り出ししたもの。これはNGC896という番号がついている。

これはその形からFish Head Nebula(魚頭星雲)と呼ばれているようだ。言われてみればそのように見えるような気もする。これもピクセル等倍なのでちょっと見苦しさがある。
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