IC5146 コクーン星雲(まゆ星雲)

IC5146 まゆ星雲
IC5146 コクーン星雲/まゆ星雲(はくちょう座の散光星雲・視直径8.2’)
  • 【環境】2021/10/26 20:56 ~ 10/27 00:03 / 兵庫県明石市/気温 15℃/光害レベル:SQM-L測定値=18.6(月齢20の月明あり)
  • 【光学系】R200SS + エクステンダーPH(1120mm F5.6)/ Comet BPフィルター
  • 【カメラ】ASI294MC Pro
  • 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/ガイド鏡:ミニボーグ50+クローズアップレンズNo.2/ガイドカメラ:ASI178MM
  • 【ソフトウェア】<撮影>APT3.88/ <ガイド>PHD2/ <処理>(下記の通り)
  • 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン200・オフセット30・180sec x 61コマ(合計183分)/PHD2によるオートガイド・ディザリングあり
  • 【処理法】
    • 前処理(リニア):PixInsight: WBPP, ABE, DBE, PCC, BlurXTerminator, NoiseXTerminator
    • 後処理(ノンリニア):ステライメージ9・Photoshop
    • 2×2ソフトビニング・トリミング有り

光害地の自宅で月明時に撮影した、はくちょう座の散光星雲IC5146。約2年前に撮影して未処理のままになっていたが、先週「リトルコクーン星雲(小まゆ星雲)」を処理した時に思い出し、遅くなったがやっと処理した。赤く写る輝線星雲の周囲を反射星雲が取り囲み、さらにその外側を暗黒星雲が包んでいる。この構造はリトルコクーン星雲を同じ。

しかし中心の赤い輝線星雲はこちらの「コクーン星雲(まゆ星雲)」の方が大きくて明るい。周囲の白っぽい反射星雲部分については、光害地の上に月明も有るためか、ほとんど写らなかった。今回は3時間程度しか露出をしていないので、もっと露出時間を増やせば見えてくるのかもしれない。また今回はQuad BPフィルタではなく、Comet BPフィルターを用いており光害の低減効果が弱いせいもあるかもしれない。なぜQuad BPでなくComet BPを用いたのかはもう2年も前のことなので覚えていない。

周囲の暗黒星雲部分(B168)は天の川の中を帯状に流れて、この星雲を包むように取り囲んでいるはずだが、それも光害と月明に埋もれて分からなくなっている。これは以前遠征地で撮影した画像の方が分かりやすい。

今回の画像でも、トリミング無し版であればなんとなく暗黒星雲の存在は分かる(下の画像)。

IC5146 コクーン星雲/まゆ星雲
IC5146 コクーン星雲/まゆ星雲

ただやはり遠征地の画像に比べると、背景のコントラストが悪い。そのため、光害地では淡い部分のあぶり出しにはあまりこだわらず、中心付近をトリミングで拡大し、明るい部分の細部を抽出する方が得策と考えた。中心の輝線星雲部分にも暗黒星雲が入り組んでおり、その構造をBulrXTerminatorやマルチバンドシャープを用いてクッキリさせている。

コクーン星雲(まゆ星雲)の位置は下の星図のとおりで、はくちょう座の中でもとかげ座との境界に近い端の方になる。

IC5146 コクーン星雲(まゆ星雲)の位置
IC5146 コクーン星雲(まゆ星雲)の位置

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