系外銀河NGC7331とステファンの五つ子

系外銀河NGC7331とステファンの五つ子
ペガスス座の系外銀河NGC7331とステファンの五つ子 (NGC7331:光度9.5等・視直径10.7’)
  • 【環境】
    • 2021/10/28 21:45 – 10/29 0:45 / 兵庫県明石市/気温16℃/光害レベル:SQM-L測定値=18.0
    • 2021/10/29 22:04 – 10/29 23:25 / 兵庫県明石市/気温12℃/光害レベル:SQM-L測定値=18.1
  • 【光学系】R200SS + エクステンダーPH(1120mm F5.6)/ CometBPフィルター
  • 【カメラ】ASI294MC Pro
  • 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/ガイド鏡:ミニボーグ50+クローズアップレンズNo.2/ガイドカメラ:ASI178MM
  • 【ソフトウェア】<撮影>APT3.88/ <ガイド>PHD2/ <処理>(下記の通り)
  • 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン200・オフセット30・180sec x 72コマ(合計216分)/PHD2によるオートガイド
  • 【処理法】
    • 前処理(リニア):PixInsight – WBPP, ABE, DBE, PCC
    • 後処理(ノンリニア):ステライメージ9・Photoshop
    • 2×2ソフトビニング・トリミング有り

光害地の自宅から撮影した、ペガスス座の系外銀河NGC7331と「ステファンの五つ子」。2晩かけて撮影した分を処理した。撮影には今年の秋に購入したばかりの「ビクセンR200SS+エクステンダーPH」を用いた。購入直後は星像が「いびつ」で苦労したが、色々と調整を繰り返しているうちに徐々に落ち着いてきた。

NGC7331とステファンの五つ子の組み合わせは、以前にFLT98CFでも撮影していた。

前回は焦点距離500mmのピクセル等倍処理で、結構無理して処理した感じだったが、今回は口径と焦点距離が約2倍になっており、より細かな部分が写っている。しかし光害地であることに変わりはないので、銀河周辺の淡い部分は背景に埋もれてしまっている。ステファンの五つ子の銀河が相互に干渉している部分などはよく分からなかった。

この領域にはNGC7331とステファンの五つ子以外にも小さな銀河が多く存在している。下の画像はPixInsightでAnnotationを入れたもの。

ペガスス座の系外銀河NGC7331とステファンの五つ子(Annotated)
ペガスス座の系外銀河NGC7331とステファンの五つ子(Annotated)

特にNGC7331の周囲には多くの小さな銀河が集まっており、「NGC7331銀河群」を形成している。

下の画像は、ステファンの五つ子付近をピクセル等倍で再処理して切り出したもの。

ステファンの五つ子(ピクセル等倍)
ステファンの五つ子(ピクセル等倍)

光害地でCometBPフィルターを通して撮影したものだが、銀河の色が異なることが分かる。

下の画像は銀河の番号を入れて、更に赤方偏移で文字の色を分けたもの。

ステファンの五つ子(ピクセル等倍)・番号入り・赤方偏移量で文字を色分け
ステファンの五つ子(ピクセル等倍)・番号入り・赤方偏移で文字を色分け

(赤方偏移はWikiを参照した)

まず画像でも青く見えるNGC7320は赤方偏移が790km/sと小さくて、他の銀河とは全く関係無く、たまたま同じ方向に見えているだけのようだ。なお、青く見えるものの青方偏移しているわけでは無いようだ。

他の5つは同じ銀河群に属しているが、NGC7318BとNGC7320Cの2つは赤方偏移が5750~5790 km/s程度で、NGC7317, NGC7318A, NGC7319の3つは6570~6750 km/s程度と、2つのグループに分かれている。こちらの記事によると、前者のNGC7318BとNGC7320Cは後者のグループを視線方向の奥から手前に突っ切るように移動していて、いずれ離れていくようだ。また後者の3つの銀河は融合していくらしい。


さて、画像処理中に気になった事だが、NGC7331とステファンの五つ子の中間あたりに、極端に目立つ赤い星があった。

赤く目立つ星
赤く目立つ星

最初はカメラの輝点ノイズの消し損ないかと思ったが、WEBで画像検索するとどの画像にも存在するので実際の星のようだ。あまりにも赤いので何か特別な名前などがあるかと思ったが、特にそういう事はなく単なる恒星だった。

ステラナビゲータのUSNO-A2.0星図では、「1200-19349476」。

  • 赤経 22h37m02.771s 赤緯 +34゚04’23.94″ (J2000)
  • Bmag=16.3 Rmag=14.0

ブルー(400-500nm)での光度に比べてレッド(600-750nm)の光度が2等以上高いので赤く見えるのかも。

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