ηカリーナ星雲(リコー・リモート)

ηカリーナ星雲
NGC3372 ηカリーナ星雲 (りゅうこつ座の散光星雲)
  • 【環境】2025/3/8 2:02 ~ 4:04(UTC +11:00)/オーストラリア サイディング・スプリング/気温 不明/光害レベル:不明
  • 【光学系】RA101: Takahashi TOA-130 D=130mm, f=762mm (F5.9)
  • 【カメラ】SBIG STX-16803ABG
  • 【架台・ガイド】<架台>不明、<ガイダー>Lodestar SX2
  • 【ソフトウェア】MaxIm DL Version 6.30
  • 【撮影法】センサー温度 -25℃
    • R:180sec. x 11コマ、 G:180sec. x 11コマ、B:180sec. x 11コマ、
  • 【処理法】
    • 前処理(リニア):
    • 画像キャリブレーション(ダーク・フラット補正)は撮影サービス側で実施。
    • PixInsight: DBE, PCC, BlurXTerminator, NoiseXTerminator, RGB合成
    • 後処理(ノンリニア):ステライメージ9・Photoshop
    • 33%縮小、トリミングなし

リコー・天体撮影サービスにて、オーストラリアで撮影した、ηカリーナ星雲。ηは「Eta」なので「イータ」または「エータ」と読む。この星雲は南天のりゅうこつ座の天の川の中にある巨大な星雲で、視直径がおよそ2°ぐらいの広がりをもつ。これは満月の4倍程度になる。場所は下図の通り。

ηカリーナ星雲の位置

天の川の中にあるため、画面船体に多くの星がちりばめられているのが分かる。

今回の撮影には、リモート撮影サービスに最近加わったタカハシTOA-130のシステム(RA101)を用いた。口径13cm、焦点距離が762mmで、従来の口径51cm(RA501)よりも広い範囲が撮影できるので、今回のような大きな星雲を撮影するのに適している。カメラはSTX-16803ABGでセンサーサイズ:36.8×36.8mm、画素数:4096×4096、センサーピッチ9μmのモノクロカメラ。センサーピッチが大きめなので露光時間が短く済むことが期待できる。課題についてはWEBに記載が無く不明。オートガイドはガイドスコープにLodestarで行っているようだ。

撮影プランについては、2時間のレンタル時間を単純にRGBに振り分けたRGB合成としており、L画像は撮影していない。撮影出来たコマ数はそれぞれ3分×11コマ(各色33分)と短めだが、撮影対象の星雲が明るいためか、ノイズ低減をする前の段階で滑らかな画像が得られた。センサーピッチが大きいというのも効いているのかもしれない。また51cmシステム(RA501)で見られたダーク減算の不適合らしき輝点ノイズが少ない。それからRA501はフラット補正にも不適合があって、特に星雲が写野全体に広がっているような場合は補正に苦労したが、このRA101のほうは良好にフラット補正されているようで、画像の4隅付近ではムラが無く淡い星雲がちゃんと出ている。結局、今回の処理ではDBEを使わずに済んでいる。

RA101の利用料金はエントリークラスということで安めで、新月で6,000円/時間であり、RA501(12,000円/時間)の半分となっている。ただしRA101のF値は5.9でRA501のF4.4より暗いので、淡い天体を撮影するためには長時間露光が必要になって、結局同じような課金が必要になるかもしれない。


さて、今回得られた画像は解像度4096×4096と大きいので、上の画像では33%に縮小して全体を手頃なサイズにしている。そのためピクセル等倍で見えていた中心部の細かな構造が分かりにくくなった。そこでピクセル等倍で中心部を切り出してみた。

ηカリーナ星雲中心部(ピクセル等倍切り出し)

散光星雲の手前を横切るモヤモヤと入り組んだ暗黒星雲の構造が良く分かる。

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