昨夜は「晴れ」との予報だったので砥峰高原へ遠征した。冬の間の遠征先は主に多可町だったが、4月に入り暖かくなってきたので、今回から砥峰高原に戻ってきた。メンバーは私とA(2)さんのみ。
現地に到着して空を確認したところ、一応晴れではあるが透明度がかなり悪い。黄砂なのか春霞なのか分からないが、からす座がやっと確認できる程度であった。薄雲の通過も頻繁にあったので、今回はスカイメモを出さず、固定撮影とSE120による眼視のみということにした。
まずは観望の前に、先日購入した「DS 星空ナビ」の再チェックである。前回、たつの市へ遠征した際の試用では、実際の空とかなりズレる状態であった。今回も車から離れて電源を入れ、しばらくDS本体を回してキャリブレーションした後に空に向けてみた。すると初めのうちはかなりズレていたが、あちらこちらに向けているうちに調整が進んでいったのか、結構合うようになってきた。ただし、全方位が全てぴったり合うというわけにはいかないようだ。例えば、東のアルクトゥールスがちゃんと合った状態で西のふたご座に向けると、10°ぐらいズレる。しかし、西空にしばらく向けていると、ふたご座にだんだん合ってくる。この状態で違う方角を向けるとやっぱりズレる。あまり急に向きを変えると良くないようだ。望遠鏡に付けることも考えたが、このようにズレるたびに取り付け角度を調整するのも面倒なので、上着のポケットに入れて必要時に取り出して見るという使い方にした。もっと精度が安定すれば、望遠鏡に取り付けるのも良いと思う。
観望の方は、いつものSE120&ポルタ経緯台、ハイペリオンズームの組み合わせを用いた。前述のとおり透明度の悪い空であったが、それでもM65,M66,NGC3628のしし座の銀河トリオはちゃんと3つ見えるし、へびつかい座の球状星団M10やM12などもちゃんとファインダーで見える。条件が悪いといっても自宅の空よりはかなりマシなようだ。それに自宅からは北天が見えないので、M81・M82やM51などは遠征時にしか見る事が出来ない。今回、眼視を主にしたことで、(数は数えていないが)かなりの数のM天体を見る事が出来た。たまには赤道儀の存在を忘れるのも良いかもしれない。
また、上記の通り再チェックした「星空ナビ」も観望に役立った。星図の表示で「星雲・星団」をONにしておき、見たい方角へ向けると、その方向で見る事が出来るM天体が表示される。そのまま表示をズームアップすると、ある程度周囲の星の並びがわかるので、それを覚えておいて、望遠鏡のファインダーで導入する。星図やガイドブックではページをめくって探す必要があるので、その分手間が省ける。ただし、おとめ座銀河団などの見つけにくい天体については、星の並びを丹念にたどって見つけて行く必要があるため、星図の方が分かりやすそうだ。
一方、撮影の方は、KIssX2にタムロンA16とプロソフトンAを使用し、焦点距離17mmにて北斗七星の日周運動や昇ってくるさそり座、夏の大三角などを固定撮影した。こちらは固定・連続撮影のままほったらかしなので、今回ほとんど手間はかけていない。
- 【環境】2009/4/18 22:31 – /兵庫県神河町・砥峰高原/気温:不明/光害レベル:SQM-L測定値=未測定
- 【光学系】タムロン A16(17-50mm F2.8) – >17mm F3.2 /プロソフトンAフィルター使用
- 【カメラ】Canon EOS Kiss X2(無改造)
- 【架台・ガイド】固定撮影
- 【ソフトウェア】<処理>(下記の通り)
- 【撮影法】ISO800, 60sec x 25コマ (比較明合成)
- 【処理法】:ステライメージ6・Photoshop Elements5による画像処理
- ISO800 / 17mm F2.8 / 30sec.
- ISO1600 / 17mm F2.8 / 30sec.
ISO1600 / 17mm F2.8 / 30sec.
1時過ぎぐらいからは夏の星座が姿を見せはじめたが、天の川はうっすらとしか見えず、写真にもあまり写らなかった。2時過ぎには月の出で空が明るくなってきたため、3時前に撤収した。
なお、観望中は周囲の林の中で常に鹿が動き回る音がして落ち着かなかった。行き帰りの道路でも、カーブを曲がった先で鹿が道路の真ん中に立っていたり、急に飛び出してきたりするので、運転には注意が必要だ。最近かなり鹿が増えた気がする。
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