先日からオートガイドソフト「iAG」のASCOMによるガイドのテストを行っているが、どうもPulseGuideでの動作に怪しいところがある。SE2赤道儀はEQMOD ASCOM Driver(EQASCOM)で一応動作させることが出来たが、細かな不具合がまだあるようで、開発者も引き続き改良を行っているところだ。
そこでガイドソフトを「PHD Guiding」に変更し、同じEQASCOMドライバを用いて動作させて、その様子を見てみた。私がPHD Guidingを導入・使用するのは初めてだったが、特に大きな問題はなく、すんなりとガイドまでたどり着けた。その手順は下記の通り(機材はiAGテストの時と同じ)。
1.iAGのテストのため、既に導入していたソフト
2.PHD Guidingのインストール
からプログラムをダウンロードしインストールした。
3.望遠鏡の状態
フリップミラーでガイド星を視野中央に導入し、恒星時運転(Sidereal)の状態でPC DIRECTモードにした。
カメラは水平方向が赤経になるよう接続しており、ピントも合わせてある。
4.PHD Guidingの起動と設定
プログラムを起動し、メニューの「Mount」でASCOMを選択
その後、画面下のアイコンを左から順に押していって、設定する。
「カメラ」は、まずWindows WDM Style webcamを選択すると、NexImage(VGA CCD Camera))が選択できた。解像度は640×480にした。
「望遠鏡」を押し、「EQMOD ASCOM EQ5/6」を選択すると、EQASCOMのコントローラが立ち上がった。これで望遠鏡と接続できたらしい。なお、ドライバのプロパティは前回iAGのテストの時に設定済みで、ポートはCOM3になっている。
「緑矢印」を押すと、カメラがスタートした。あらかじめ星をフリップミラーで視野中央に入れているので、星が映し出された(露出の調整は、露出秒数選択プルダウンメニューとスライドバーで行う)。
ところが星がどんどんと画面端に向かって動いていき、画面から外れてしまった。ここでEQASCOMのコントロール画面を見ると、Track RateがNo Trackingになっている。接続時に恒星時運転がキャンセルされて停止していたようだ。改めてEQASCOMの「★」ボタンを押してSiderealに戻し、方向ボタン「E,W,N,S」で星を真ん中に戻した。
5.キャリブレーション
画面上の星をマウスでクリックすると、その星が四角で囲まれるので、その状態で「PHD」ボタンを押した。これで黄色の十字線が現れ、キャリブレーションが開始された。キャリブレーションの時間はiAGより長めで、2~3分以上はかかったと思う。
6.ガイド
キャリブレーションが終わると十字線が緑に変化し、自動的にガイドが始まった。
ガイドの中断は「STOP」を押し、再開したいときは、また星を選んで「PHD」を押すと良いようだ。
7.ガイドの状況
「Tools」メニューから「Enable Graph」を選択すると、ガイド状況のグラフが表示された。
また、EQASCOMのコントロール画面でも、「DISPLAY+」ボタンによってRA,DECのガイド状況がモニタできた。これはPulseGuideの補正信号を積算しているのだろうか?
それから、ASCOMのアイコンをクリックすると、コマンドのトレース画面が現れ、PulseGuideのコマンドの状況が把握できた。
8.パラメータの調整
ガイドの精度を詰めていこうとすると「頭脳」のボタンで各パラメータを追い込んでいく必要がある。今回はとりあえず動作確認目的なので、RA Aggressivenessを80に下げただけで、あとはデフォルト値である。
以上のように、導入と使用は割と簡単に行うことが出来た。
最近は天候が悪い日が続いているが、機会があれば実写でも試してみたい。
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