- 【環境】2019/8/18 0:48 – 2:17/兵庫県明石市/気温 29℃/光害レベル:SQM-L測定値=17.5 (月齢16.5の月明有り)
- 【光学系】FLT98CF + フラットナーレデューサー4(約490mm F5)/Quad BPフィルター
- 【カメラ】ASI294MC Pro
- 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/D=50mm F4ガイド鏡/Lodestar Autoguider
- 【ソフトウェア】<撮影>APT3.7/ <ガイド>PHD2/ <処理>(下記の通り)
- 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン300・180sec x 27コマ/PHD2によるオートガイド・APT連携ディザリング
- 【処理法】
- ステライメージ8によるダーク減算、フラット補正、デベイヤー
- FlatAide Proによる追加フラット補正(シェーディング補正)
- Photoshop CC、ステライメージ8による調整(星消しにStarNet++、星雲強調にNik Collection併用)
- 2×2ソフトビニング後、1200×1200で切り出し
最近はどうも週末の天気に恵まれないが、先週土曜日は珍しく晴れた。しかし満月過ぎ(月齢16.5)の明るい月がほぼ一晩中出ている。
いつもなら諦めるところだが、ゴールデンウィーク以来全く撮影できていなかったので、その月明+光害に構わず自宅バルコニーで撮影を強行した。
SQM-Lで月からかなり離れた空を測定したが、値は17.5とかなり悪い。夏らしく水蒸気の多いモヤッとした感じの空で、1等星ぐらいしか見えない。とりあえずワンショットカラー・ナローバンドのセット(Quad BPフィルター + ASI294MC Pro) を用いることにした。
なるべく月から離れていて明るめの散光星雲を狙うことにして、最初はM27(亜鈴状星雲)を撮影した(これは未処理)。その次に北アメリカ・ペリカン星雲を候補にしたが、赤色一色になって面白みに欠けそうだったので、青色が混ざる網状星雲に変更。画角的にちょうど収まる東側に決めた。
撮影は1時前から3時半頃の薄明前まで40コマ以上行ったが、後半は薄雲がかかっていたらしくS/Nが悪い。それらを除去した残りの27コマ(総露出時間=81分)を採用した。できれば2時間以上の総露出時間を稼ぎたかったが残念。
処理の中での「星消し」には最近話題の「StarNet++」を使用した。これ自体はコマンドラインのプログラムで使いにくそうだが、FlatAide Proの最新版で「プロセス」メニューから実行指示できるので、それを利用すると簡単に使用できた。Tensorflowを使っているようで、かなり重い処理。
さて、処理結果は思った以上にまともな画像になった。
「ほぼ満月+強光害+夏の悪透明度」の環境下でこれだけ写ってくれると文句ない。
強調処理はステライメージのマルチバンドシャープとNik collectionのSilver Efex Pro2(ファインアートプロセス)を用いて、星雲の微細構造を意識してあぶり出した。
また、強調処理のためには正確なフラット補正が欠かせないが、フラット画像による最初のフラット補正に加え、追加で実施したFlatAide Proのシェーディング補正がかなり効いていると思う。
ただし色調整は難しく、何が正解なのかよく分からないまま進めていると、青色の星雲が緑色になってしまった。どうもこのセットで撮ると黄色が強くなるため、早い段階でステライメージのLab色彩調整にて黄色成分を下げると良かったかも。
コメント