- 【環境】2019/11/10 0:41 – 2:50/兵庫県明石市/気温 13℃/光害レベル:SQM-L測定値=17.5 (月齢12.5の月明有り)
- 【光学系】FLT98CF 直焦点(618mm F6.3 )/Quad BPフィルター
- 【カメラ】ASI294MC Pro
- 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/D=50mm F4ガイド鏡/Lodestar Autoguider
- 【ソフトウェア】<撮影>APT3.7/ <ガイド>PHD2/ <処理>(下記の通り)
- 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン300・180sec x 39コマ/PHD2によるオートガイド・APT連携ディザリング
- 【処理法】
- ステライメージ8によるダーク減算、フラット補正、デベイヤー
- FlatAide Proによる追加フラット補正(シェーディング補正)
- DeppSkyStackerによる加算平均(Drizzle 2x)
- Photoshop CC、ステライメージ8による調整(星消しにStarNet++併用)
- ピクセル等倍(Drizzle 2xの画像を各種処理後、2×2ソフトビニング)、640 x 640 の領域を切り出し
2019/11/9の夜(11/10未明)に光害地の自宅で撮影した、おうし座の超新星残骸M1(かに星雲)の画像を処理した。
M1は西暦1054年に出現した超新星の残骸で、特徴的なフィラメント構造を持ち、そのフィラメントの形状から「かに星雲」と呼ばれている。爆発当時は昼間でも見えたらしい。今話題のベテルギウスが超新星爆発すると同じようになるのだろうか。
今回の撮影は光害地の自宅で、満月前(月齢12.5)の月明もあったが、超新星残骸にはQuad BPフィルターが効果的なようで、遠征地に遜色ない結果が得られたと思う。
使用した鏡筒は口径98mm、焦点距離618mmの短焦点アポ屈折で、視直径6’の対象には焦点距離が不足気味。そのため、まずDeepSkyStackerのdrizzle 2x処理で解像度を増やし、各種処理を2倍解像度の状態で実施したあと、ステライメージで2×2ソフトビニングにてピクセル等倍に戻した。
その結果、予想以上にフィラメント構造を詳しく描写できた。またQuad BPで散光星雲を撮影すると赤色主体になり色彩感に欠けることが多いが、今回は様々な色が複雑に入り混じっており面白い。
下の画像は、2011年に光害の少ない遠征地で、同じ鏡筒の直焦点でKissX2にて撮影したもの。これはピクセル等倍ではアラが目立つため、80%に縮小している。今回の画像と比べると、この9年間のカメラ(センサー)や処理ソフトの進歩は大きいと感じる。
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