惑星状星雲 NGC6826(まばたき星雲)

惑星状星雲 NGC6826(まばたき星雲)
NGC6826 まばたき星雲(はくちょう座の惑星状星雲・光度10.0等・視直径約0.5’)
  • 【環境】2021/8/30 0:16 – 1:57/兵庫県明石市/気温28℃/光害レベル:SQM-L測定値=18.7(月齢21.1の月明あり)
  • 【光学系】ミューロン180C + 純正レデューサー(1780mm F9.9)/ Comet BPフィルター
  • 【カメラ】ASI294MC Pro
  • 【架台・ガイド】ケンコーSE2赤道儀/ガイド鏡:ミニボーグ50+クローズアップレンズNo.2/ガイドカメラ:ASI178MM
  • 【ソフトウェア】<撮影>APT3.87/ <ガイド>PHD2/ <処理>(下記の通り)
  • 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン300・オフセット30・30sec x 155コマ/PHD2によるオートガイド
  • 【処理法】
    • 前処理(リニア):PixInsight – WBPP, ABE, DBE, PCC
    • 後処理(ノンリニア):ステライメージ9・Photoshop
    • ピクセル等倍・640×640で切り出し

光害地の自宅で撮影した、はくちょう座の惑星状星雲NGC6826(まばたき星雲)。

惑星状星雲は中心星から星雲が円形状に広がるため、眼のように見えるものが多いが、このNGC6826もその一つ。中心星の上下にまぶたのような構造があり、目尻に相当する両側に明るい領域がある。

撮影時には離れた位置に半月が出ていたが、撮影対象の輝度が高く、また光害地なのでほとんど影響は無かったと思う。

ガイドには先日試行したPHD2のマルチスターガイドを用いた。

撮影対象の輝度が高いため30秒の短時間露出としたこともあって、没になったのは振動などでぶれたものだけ(1割程度)で、ガイド自体に問題はなかった。


ところで、このNGC6826の視直径だが、ステラナビゲータ11の天体情報では2.3’(138″)となっているが、とてもそんなに大きくは見えない。Wikipediaでも27″x24″となっている。

衝近くの木星・土星と同焦点距離の撮影でサイズ比較したのが下の画像。明らかに木星より小さく、視直径30″ 程度に見える。

NGC6826(まばたき星雲)と衝近くの木星・土星の視直径比較
NGC6826(まばたき星雲)と衝近くの木星・土星の視直径比較

しかし、どうも画像処理しているときからNGC6826の周囲に淡いモヤのようなものがあるのが気にかかっていた。最初は輝度の高いNGC6826のゴーストと思っていたが、どうも実際になにか淡い星雲があるようだ。

画像が荒れるのを承知の上で淡い部分を持ち上げてみたら、光害地の短時間露出なのでほとんど背景に埋もれているが、やはり周囲に淡い同心円状の星雲がある。

NGC6826(まばたき星雲)周囲の淡い星雲
NGC6826(まばたき星雲)周囲の淡い星雲

中心部から伸びる6本のスポーク状の淡い光条はミューロン180Cの副鏡支持具による光条なので無視するとして、その外側の同心円状の淡い部分は、よく見ると場所によって濃淡もある。

WEBで画像を検索すると、その淡い部分まで写したものがいくつか見つかった。たとえば下記(勝手にリンクしてすみません)。時計の9時~10時方向の明るくなった部分も一致している。

NGC 6826 – The Blinking Planetary – Apod GrAG

光害のない場所で長時間露光すると、この淡い部分がもっとはっきり写るのかもしれない。ただし、中心部との輝度差が非常に大きいため、多段階露光と光芒の処理が必要で、かなり難しい処理になると思う。

ステラナビゲータの視直径情報は時々実態と合わないものが見受けられると思っていたが、実際には今回のように淡くて見えない部分を含んでいる場合があるかもしれない。星雲星団でも銀河でも、外縁部がはっきりしない場合は、どこを境にして視直径を定義するのかという問題になると思う。

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