今年の2月にAZ-GTiを赤道儀化してASIAIR Proでオートガイド撮影を実施しようとしたが、キャリブレーションが正常に行えず失敗した。
その後しばらく改善の糸口がつかめずにいたが、夏頃に出たAZ-GTiのファームウェアVer3.33を試したところ、一応オートガイド出来るところまで改善されていることを確認した(おそらく、Ver3.32の時点で改善されていた)。
ただ、このときは天気が悪く実際に撮影することができなかった。
そして、10月に入ってからやっと実際にオートガイド撮影を行い、成功することができた。
機材は下の画像の通り。
配線がゴチャゴチャしているが基本的には2月に組んだレイアウトのままで、ASIAIR Proとガイドスコープ、撮影鏡筒(BORG71FL)、カメラ(ASI294MC Pro)を一枚のプレート上にあらかじめ並べて配線したままで保管しているので、セッティングはこれをAZ-GTiに載せて12V電源を繋ぐだけ。平日の夜でも迅速に設置して撤収もすぐ出来る。
ASIAIR ProとAZ-GTiの接続は、SynScan USBアダプターによる有線接続(設定はこちらと同じ)。
バルコニーは南西向きで北の空は全く見えないので、極軸は正確に合わせていない。高度は傾斜計で35度に合わせており、方位は目視で南の方角へ向けただけ(惑星など明るい星が南中したときの画像を参考にしている)。
試写の対象として、明るめの散光星雲である北アメリカ星雲とペリカン星雲付近をQuad BPフィルターを付けて狙うことにした。
オートガイドは精度が安定しておらず、±2秒に収まっているときと±4秒程度まで広がる時がある。ただし時々±8秒以上の乱れが発生する。これについては、三脚の剛性が低いために何か周囲の振動を拾っているのかもしれない。
歩留まりが心配だったが、180秒で60コマ撮影したうち3コマのみが星像ブレで没になり、57コマがOKになった。この程度なら合格点。
結果は下の画像となった。
- 【環境】2021/10/5 21:31 – 10/6 0:48/兵庫県明石市/気温 21℃/光害レベル:SQM-L測定値=18.1
- 【光学系】BORG71FL+レデューサー0.72xDGQ(288mm F4.1)/ Quad BPフィルター
- 【カメラ】ASI294MC Pro
- 【架台・ガイド】AZ-GTi(赤道儀モード)/ASIAIR Pro/SVBONY 30mm F4ガイド鏡/ASI120MM Mini
- 【ソフトウェア<撮影&ガイド>ASIAIRアプリ(Android)/ <処理>(下記の通り)
- 【撮影法】センサー温度0℃・ゲイン200・オフセット30/180sec x 57コマ(171分)
- 【処理法】
- 前処理(リニア):PixInsight – WBPP, ABE, DBE, PCC
- 後処理(ノンリニア):ステライメージ9・Photoshop
- 3×3ソフトウェアビニング・トリミングなし
あいかわらず色ムラがひどく、修正に苦労した。今回はVoid画像も撮影し、PixInsightのABE&DBEを用いた。
しかし、何故か今回は修正しきれず、最後はステライメージにて手動でカブリ補正した。また、Quad BPフィルターを入れる位置が悪いのか、輝星まわりに目立つゴーストが発生している。
苦節8ヶ月、これで一応、AZ-GTiの赤道儀モードでPCレスにてオートガイド撮影できる環境ができた。
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