昨夜は遠征の予定だったが、あいにくの曇天のため中止となった。先週の平日はずっと晴れていたのに、週末になって天候が悪化してしまった。近畿地方はどうやら遅めの梅雨入りとなったらしい。
5月から現在まで晴天の日が多かったように思うが、どうも天気と自分の都合があまりかみ合わず、あまり星を見ていない。木星と天王星の接近やマックノート彗星も、平日の明け方に起きていることが出来ず、結局見ていない。
ブログもあまり更新せず、冬~春に撮った球状星団の処理だけやっていたように思う。
春は透明度が悪い日が多く、写しやすい球状星団を撮影することが多かったが、球状星団は散光星雲や系外銀河と違ってあまり形に差が無く、どれも同じに見えてしまう。そのため、いくら写しやすいとはいえ、連続して球状星団ばかり撮っていると飽きてくる。
しかし、同じように見えても、並べて比較すると、その大きさや星の集中度合い(集中度)に違いがあることが分かる。
球状星団の集中度は、シャプレーがI~XIIの12段階に分類しており、最も集中しているのがIで、最もまばらなのがXIIである(なお、この分類についてはローマ数字で表記するのが正式のようだが、正直言って私はローマ数字が苦手でとても読みにくい。そこで、以下においては勝手ながらアラビア数字で表記する)。
今回並べてみたのは集中度4~9の範囲であるので極端な違いは見られないが、それでもM4(9)やM10(7)は中心部まで星がまばらな感じが分かるし、M92(4)ではかなり中心部に集中しているのが分かる。
この違いは、撮影後に処理しているときにも実感出来る。集中度が高いと、中心部と周辺部の輝度差が大きくなり、レベルの調整が難しくなる。一番苦労したのは集中度4のM92で、中心部の星にレベルを合わせると、周辺部の星がほとんど見えなくなってしまった。そこで、トーンカーブ処理によって、周辺部の星のレベルを持ち上げている。このように、画像処理によって見た感じも変わってしまうので、厳密に比較するなら画像処理内容も統一する必要があるが、今回はそこまでしていない。それぞれの球状星団毎に、見た目優先で別々の処理を行っている。
なお、メシエ天体に限ると、最も集中度が高いのは「いて座」のM75(1)、まばらなのは「や座」のM71(g)である。M71はシャプレーが散開星団として分類した(最も密なg)が、今は球状星団とされている。シャプレーの分類で最もまばらなのは「いて座」のM55(11)のようだ。これらについても、機会があれば撮影して比較してみたい。
【参考文献】
1) 藤井旭、全天 星雲星団ガイドブック、誠文堂新光社(1978)、p317-318
コメント